電波プロダクトニュース



060424_01
 
日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
4月24日060424_01 芝浦電子 半導体素子 ディスクリート 一般民生用

ペロブスカイト構造で特性のバラツキを抑制し800℃まで使用可能な高温用サーミスタ



 芝浦電子は、最高800℃での使用が可能な高温サーミスタ技術を開発した。これまでは、500℃が限界とされてきたが、新しいサーミスタチップの開発などによって実現した。同社では、この技術を応用して800℃対応高温用サーミスタ「UH2形」、マイナス50―プラス300℃での使用が可能なワイドレンジサーミスタ「PLシリーズ」を商品化。5月からサンプル出荷を開始する。生産は、チップを福島芝浦電子において月間数百万個で行い、組み立てを国内外の生産拠点で展開する。

 新たに開発したサーミスタチップはイットリウム、クロム、マンガンを主原料としたペロブスカイト構造を持つもの。サイズは0.6ミリメートル角。独自の粉末製造技術と素材焼成技術を駆使することによって、特性バラツキを極限に抑制した。

 これまで高温用温度検知には、白金抵抗や熱電対などが用いられてきた。「UH2形」が800℃対応を実現した背景には、新たな素子の開発と併せて、素子用電極には白金電極を採用。チップを封止するガラスは、1000℃近くまで溶融しない耐熱ガラスを開発した。さらに、白金電極をリード線の接合にも用いることにした。

 リード線は、コストを考慮し、ガラス封止内の短い部分では白金イリジウム線、外部の長い部分にはニッケル線を用い、電気溶接で接合した。

 量産技術としては、ガラス封入炉として1300℃昇温炉をはじめ、600―800℃で抵抗値測定、分類を実現するために高温空気槽、抵抗選別機を新規設計した。

 用途は、白金抵抗や熱電対で制御しているオーブングリル、バーナーセンサーといった家電製品、自動車およびエンジン周りの温度センサー、一般家庭用燃料電池などでの利用が期待できる。

 ワイドレンジタイプ「PLシリーズ」は、新たなチップ、白金電極を開発、既存の材料(ガラス、デュメット線)との高いマッチング性の確保によって、温度変化率(B定数)を下げ、従来のサーミスタの1.5―2倍の温度域を1本で制御できることになった。

 マイナス50―プラス300℃で使用できることで、従来サーミスタを2本以上使っていたものや、サーミスタとそのほかの温度センサーを組み合わせて使っていたケースを新製品1本に削減できるなどのメリットがある。

 オーブンレンジ、炊飯器、IH調理器などの家電製品から冷蔵庫、エアコン、さらには自動車、産業機器まで幅広く利用できる。

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