電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
4月26日060426_05 新潟精密 半導体複合部品 機能モジュール 移動体通信機器用

携帯電話などの内蔵用で世界最小のFMトランシーバーモジュール



宮城専務

 新潟精密は、世界で初めてフルCMOSで商品化に成功したFMラジオIC「NS953」(豊田自動織機と共同開発)と、自社開発のフルCMOSのFMトランスミッタIC「NS73」の2種類のICを使用し、世界最小のFMトランシーバ(送受信)モジュール「NS9573M」を商品化した(既報)。携帯電話などへの内蔵用に開発したもので、10ミリ角の超小型ワンモジュール化を実現。RF部とベースバンド部をフルCMOS1チップ化することで、超小型化や低コスト化を実現する。

 さらに同社は、保有するフルCMOS1チップ化技術を活用し、ホームラジオ用チューナやカーラジオチューナ、TVチューナなどの様々なRF関連分野に製品を展開していく計画で、「当社のフルCMOS1チップ化技術を活用することで、既存のチューナモジュールと比較して、小型・低消費電力化や、外付け部品点数の大幅削減による低コスト化が図れる」(宮城弘専務取締役開発担当)という。

 同社は、RF部をフルCMOS1チップ化したFMトランシーバモジュールの開発に8年ほど前から着手。04年に、世界初となるフルCMOSによるFMラジオIC「NS953」を商品化し、国内携帯電話向けに採用が拡大しており、現在、国内のFM携帯電話市場では、5割超のシェアを持つ(同社調べ)。

 最近は、携帯電話やMP3プレヤーへのFMラジオ搭載が本格化し、携帯電話やMP3プレヤーなどの音楽をFMトランスミッタを使用してカーステレオなどのオーディオ装置で再生する動きもでてきている。今回開発の「NS9573」は、こうしたニーズに対応し、自社のフルCMOS・FMラジオIC「NS953」と、フルCMOS・FMトランスミッタIC「NS73」を、高密度実装技術と両ICの外付け部品の一部を共有することにより、送受信が可能な超小型FMトランシーバモジュールを開発したもの。

 フルCMOS化に当たっては、独自の低周波(I/F)ノイズ低減法の実現により、RF部とベースバンド部を同じCMOS上に1チップ化を可能とし、その際に、デジタル回路のノイズがRF部に悪影響を及ぼす問題も回路設計、回路配置、配線、そのほかのノウハウによりクリアした。

 過電流の影響を受けにくいスパイラル構造を開発、スパイラル・インダクタをICに内蔵、すべての電子部品をICに内蔵する道を開いた。高価な外付け大容量コンデンサ不要。外付け部品は43点。各種フルCMOS基本特許を約130件提出済み。

 同社は、今月からNS9573のサンプル出荷を開始し、国内外の携帯電話やMP3プレヤー向けに受注を開始する。サンプル価格は1千円。生産は三和工場(新潟県上越市)で行う。売上げ計画は初年度10億円、2年目20億円。

 さらに、今年から07年にかけ、ホームラジオやカーラジオ用フルCMOS1チップIC、フルCMOSによるワンセグチューナなどの開発、商品化を進めていく計画。DSP化により、小型チップサイズ化や低コスト化、低消費電力化、特性改善、プロセス変動に強い、外部デジタルインターフェイスが容易などのメリットが得られるという。プロセスは、現在の0.18マイクロメートルから年内に0.13マイクロメートルに移行する予定。パッケージは、携帯やMP3組込み用はWLP。

 同社は、チューナ関連売上高として、06年12月期は40億―50億円(05年12月期は約17億円)、07年12月期には200億円以上を計画する。

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