モールド部分を一部品にしたり接触部にインサート成形を施すなどの合理化で低コスト化を図った地上デジタル放送受信機器用B-CASカードコネクタ

　ミック電子工業は、コネクタ市場に本格参入する。その第１弾として、地上デジタル放送受信機器用のＢ―ＣＡＳ（ビーキャス）カード用コネクタを開発、今月からサンプル出荷を開始。モールド一体成形をはじめとした加工レベルでの合理化で、コスト面での差別化を図っている。薄型ＴＶやＤＶＤレコーダ、デジタルチューナなどの用途向けに展開していく。

　Ｂ―ＣＡＳカードは、地上デジタルチューナ内蔵ＴＶなどに添付される、暗号を解除するための鍵データが記録されたＩＣカード。地上デジタル放送の普及に伴い、薄型ＴＶやＤＶＤレコーダ用に、同ＩＣカードの搭載が拡大しており、対応コネクタの需要が増加している。

　同社が開発したＢ―ＣＡＳカード用コネクタは、既存の組立式（圧入）タイプとは異なり、モールド部分を一部品にし、また、カードとの接触部は、インサート成形を施すなど加工レベルでの合理化を行い、低コスト化を図っている。

　３月までに信頼性評価を完了し、今月からのサンプル開始を予定。量産開始時期は、早ければ今夏からとなる見込みで、月産５０万個の生産を予定する。

　同社は、プッシュスイッチ、レバースイッチなどのメカ式検出スイッチを主力とするメーカー。スイッチ事業により、長年培ってきた接点技術や微細加工技術などを生かし、今後も、モバイル端末用バッテリ端子など、順次、コネクタの新製品の開発、投入を進めていく計画。