390プラスマイナス16キロジュール/立方メートルと業界最高水準のエネルギー積を乾式工法で達成したネオジウム・鉄・ボロン系焼結磁石

　ＴＤＫは１１日、３９０プラスマイナス１６キロジュール/立方メートル（ｋＪ/仏方メ─トル）という業界最高水準のエネルギー積を従来からの乾式工法で達成したネオジウム・鉄・ボロン系焼結磁石「ＮＥＯＲＥＣ５５シリーズ」を開発、月間５トンの生産能力で、生産を開始したと発表した。

　 新製品はＨＤＤのヘッド駆動用ＶＣＭ（ボイスコイルモーター）、ＤＶＤ、ＣＤなどの光ヘッド用などとして開発したもの。

　 独自の低酸素プロセスの採用で磁石中の酸化物量を極限まで低減し、飽和磁化の向上に成功。成形粉末の制御技術の適用で従来成形工法である乾式法を変えることなく、磁界中成形後の圧粉体の配合性を高め、最大エネルギー積を従来製品に比べ５％向上した。また、低着磁磁界での着磁性も大幅に向上。十分な着磁が容易に行える。

　 これらによって、従来品の同形状でもＶＣＭの磁気回路において、磁束向上とそれに伴うトルク向上をもたらし、ヘッド移動速度をアップすることができ、ＨＤＤのシーク速度の向上を実現する。

　 また、光ヘッドでは小型で、複雑な着磁パターンになるが、高い着磁率を実現していることから、磁石の小型化を推進することができる。