半導体製装置など各種産業機器向け小型品から大電流対応品まで高付加価値の各種パワー用ノイズフィルター

　双信電機はパワー用ノイズフィルターで相次ぎ新製品を市場に投入している。半導体製造装置をはじめ、各種産業機器の国内生産が伸びていることを背景に同フィルターの需要が増加。小型品から大電流対応、さらには複合機能型まで、高付加価値製品を中心にキメ細かな品揃えで受注競争力を高めている。

　小型樹脂ケースタイプでは６―３０Ａ定格で標準、超低漏えい電流、高減衰の３タイプを用意した「ＮＦ２０００Ａ―ＵＰシリーズ」を開発した。省スペースのクラス最小サイズを実現しており、伝送通信機器、医療機器、汎用インバータ、工作機械などでの市場開拓を強化する。

　低漏えい電流で超大電流のノイズを抑制する製品としては１０００Ａ定格品まで品揃えした「ＮＦ３０００Ｃ―ＵＱＡシリーズ」を開発。独自の巻線技術によって１０００Ａ定格を実現し、しかも従来品の約３０倍のインダクタンスを達成した。半導体製造装置、重機械をはじめ、工場の元電源など、大電流装置分野に適する。

　２００Ａまでの中容量機種では高減衰、低漏えい電流タイプで、ＡＣサーボ機器における５０メートルケーブルでもノイズ抑制効果を実現した「ＨＦ３０００Ａ―ＵＮシリーズ」を戦列化した。

　高機能タイプでは複合機能タイプ（１０―６０Ａ定格）「ＮＦＵ３０００Ｃ―Ｚ１シリーズ」を開発した。樹脂ケース型ノイズフィルタにオプションユニットを付加することで、高減衰、雷サージ対策が可能になる。半導体製造装置、工作機械、ロボット、医療機器や汎用インバータなど幅広い分野に対応する。

　同社は高周波デバイス事業を拡大する一方、フィルムコンデンサ、コイルなどの要素技術を生かして電源用のノイズフィルタ事業を経営の一つの柱にしている。

　今回、製品構成を強化するのは、国内での設備投資が活発化していることを背景に、各種製造装置、工作機械、インバータ機器などの生産台数が増大。特に中大容量の箱型ノイズフィルタの需要が増加。さらに薄型テレビの生産台数増大で小容量タイプの需要も数量が増えており、事業拡大が見込めるため。