高精細デジタルビデオカメラや監視カメラなど向けフルHDの映像をH.２６４方式でリアルタイムに圧縮・復元が可能なLSI

　富士通はこのほど、フルＨＤ（１９２０ドット×１０８０ライン）の映像をＨ・２６４方式でリアルタイムに圧縮・復元が可能なＬＳＩ「ＭＢ８６Ｈ５１」を開発、７月１日からサンプル出荷する。

　 サンプル価格は３万円。Ｈ・２６４対応ＬＳＩ全体で０７年度５００万個の販売を予定している。

　 新製品は２５６メガビットのメモリー（ＦＣＲＡＭ）を２個内蔵し、ＬＳＩ内の最適設計により小型・低消費電力を実現している。１チップでメモリーを内蔵し、フルＨＤ対応の汎用製品は業界初。

　 また、Ｈ・２６４方式のリアルタイム映像圧縮は、従来方式に比べて１０倍以上のデータ処理が必要となる。新製品は高速処理を実現することで、Ｈ・２６４ハイプロファイルレベル４.０に対応している。音声もＭＰＥＧ−１　Ａｕｄｉｏ　Ｒａｙｅｒ２などのフォーマットでリアルタイムで圧縮・復元できる。

　 さらに、人が見て画質劣化が気になりやすい顔やゆっくり動く物体などを常時追跡し、該当部分をあまり圧縮せずに高画質となるようにして、それ以外はできる限り圧縮するというメリハリのある圧縮制御を行うアルゴリズムを富士通研究所で開発。

　 これによりＭＰＥＧ−２に比べ同等の画質でデータサイズを２分の１から３分の１に減らすことを可能にしている。６５０ピンＦＢＧＡパッケージで供給される。

　 主な用途は、高精細デジタルビデオカメラやホームネットワーク機器などの民生用および放送機器、監視カメラなど。