ADコンバータの分解能で制約を受けていた装置向け400メガサンプル/秒と業界で最高速のモノリシック14ビットADコンバータ

　日本テキサス・インスツルメンツはこのほど、４００メガサンプル/秒と業界で最高速のモノリシック１４ビットＡＤコンバータ「ＡＤＳ５４７４」を発売した。価格は１５０ドル（１千個受注時の参考単価）。

　 新製品は、変換速度で有効ビット数が１１.１ビットと他に例のない高性能を提供し、試験・計測向け計装、ＳＤＲ（ソフトウエア無線）、通信向け計装など、これまでＡＤコンバータの分解能で制約を受けていた装置で高性能・広帯域アプリケーションを実現できる。

　 ＡＤＳ５４７４は、独自のアナログ・プロセス・テクノロジー「ＢｉＣｏｍ３」で製造され、バッファ・アンプを内蔵しており、アナログ・フロントエンド（ＡＦＥ）の設計を容易にする。

　 このバッファ・アンプによりサンプル・アンド・ホールドからのキックバック電流を防止でき、サンプリングのタイミングおよび周波数にかかわらず、常に高い入力インピーダンスを提供する。これにより、直流（ＤＣ）から２００メガヘルツを超える中間周波数（ＩＦ）までの広帯域アプリケーション向けＡＦＥの設計が容易になる。

　 また、高速ＡＤコンバータＡＤＳ５４６３、同５４４４、同５４４０とピン互換性を持たせており、基板間でサンプリング周波数、分解能の変更が容易となり、新製品の開発期間の短縮につながる。パッケージは、１４ミリメートル角８０ピンＴＱＦＰ　ＰｏｗｅｒＰＡＤで供給される。