ノートＰＣなど向け表面コーティングを使用するＰＥＴ方式と異なりコーティング不良を排除でき優れた機能性を発揮する液晶ディスプレイのバックライト用イルミネックス拡散フィルム2種

　米ＳＡＢＩＣイノベーティブプラスチックス（マサチューセッツ州）は２５日、液晶ディスプレイのバックライト用の「�Tｌｌｕｍｉｎｅｘ（イルミネックス）拡散フィルム」の新グレードとして「ＢＬ」および「ＢＭ」の２種を販売開始したと発表した。

　ＴＶやモニター向けに開発したＢＬは、積層構造に適した拡散フィルムで、優れた光学特性により、特に直下型バックライトユニットにおいて、設計者は現状の設計よりもフィルム枚数を減らすことができる。ＢＭグレードはクロスプリズム構造に最適化された光学特性を持ち、ノートＰＣ用途に適している。

　イルミネックスフィルムは、従来のＰＥＴを用いた拡散フィルムに用いられる表面コーティングを使用しないことで、従来のコーティングタイプのＰＥＴフィルムに見られた光ガイドのフレーキング（光むら）、ボイド、引っかきといったコーティング不良を排除できるため、優れた機能性を発揮する。

　また、有機ＥＬなどのフレキシブルディスプレイ向けに、０８年の商品化を目指して開発を進めている「ＵＨＢ（ウルトラハイバリア）光学フィルム」の試作品を発表した。高いバリア特性を有し、光透過率９０％の高透過率、高耐熱性、高耐薬品性などの特徴を持つ。

　ＳＡＢＩＣイノベーティブプラスチックスは、米ＧＥのプラスチック部門（ＧＥプラスチックス）を母体とし、サウジアラビアの大手石油化学メーカー、ＳＡＢＩＣによるＧＥプラスチックス買収により、今年９月に設立された。