薄型大画面TV向けSAWフィルター不要の地上波デジタルおよび地上波アナログ放送用シリコンチューナICと復調LSIのチップセット

　ソニーは、薄型大画面向けの地上波デジタルおよび地上波アナログ放送用シリコンチューナＩＣ「ＣＸＡ３７４６」と復調ＬＳＩ「ＣＸＤ２８１１」のチップセットを開発、０８年４月から販売を開始する。サンプル価格は、それぞれ１千円と４千円。

　 家庭用テレビは、薄型競争が進んでおり、テレビの中で最も大きな機能部品の一つであるチューナモジュールの小型化が求められている。

　 ＣＸＡ３７４６は、中間周波数を低くしたシステム（ＬＯＷ−ＩＦ）を採用することにより、ＩＣ回路内に受信帯域を絞り込むフィルター機能を持たせることで、ＳＡＷフィルターを不要にしている。また、ＣＸＤ２８１１は、日本のＢＳデジタル放送と地上デジタル放送の復調機能に加え、地上アナログ放送の映像検波と音声多重デコーダ、さらにはゴーストキャンセラまでワンチップ化している。

　 このチップセットを使ってモジュールを設計すれば、従来のチューナと比較して１０分の１以下の容積のチューナモジュールを設計することが可能となる。

　 これまで、シリコンチューナでは達成が難しいとされていた感度性能なども、従来のチューナと同等レベルを実現している。パッケージは、ＣＸＡ３７４６が５６ピンＶＱＦＮ、ＣＸＤ２８１１が１９２ピンＢＧＡで供給される。

　 同社では、このチップセットを薄型大画面テレビ市場に向けて、積極的に販売していくとしている。