従来比1/100以下のサイズ(10.7×10.7×1.4mm)に1パッケージ化を実現し中国の地上デジタル放送規格に準拠したチューナモジュール

　シャープは４日、業界初となる、中国の地上デジタル放送規格「ＧＢ２０６００−２００６」に準拠したチューナモジュール「ＶＡ３Ｃ５ＣＺ９２０」を開発し、０８年１月下旬からサンプル出荷を開始すると発表した。

　 従来の中国地上デジタル放送受信用チューナ（ＣＡＮチューナ）と比較し、１００分の１以下のサイズ（１０.７×１０.７×１.４ミリメートル）に１パッケージ化した。低消費電力５３０ｍＷ（連続動作時）。ノートＰＣやカーナビなど各種モバイル機器への搭載が可能。

　 サンプル価格は３万円。０８年３月末までに量産体制を整える計画。

　 新製品は、中国の地上デジタル放送規格ＧＢ２０６００−２００６に準拠。ハイビジョン方式を受信し、高品質な映像を実現する。中国国内の各放送局が選択するマルチキャリア/シングルキャリアの両方式に対応する。

　 新規開発の高周波ＩＣに加え、同社独自の表面実装技術やＷＬ−ＣＳＰ技術などの高密度実装技術により、小型サイズの１パッケージ化を実現した。ＣＭＯＳプロセス技術により高周波ＩＣを新規開発し、ＯＦＤＭ復調回路ＩＣとの組み合わせにより、低消費電力化を実現。

　 出力方式はＴＳ出力。受信周波数帯はＶＨＦ帯１６７−２２３メガヘルツ、ＵＨＦ帯４７０−８７０メガヘルツ。ＯＦＤＭ復調内蔵。制御インターフェイスは�T２Ｃバス。電源電圧１.８Ｖ（ＲＦ）、１.２Ｖ（ＯＦＤＭコア）。

　 ４日都内で開催された記者発表会で、電子部品事業本部の江川龍太郎高周波デバイス事業部長は、「今後、モバイルＴＶ放送は海外での需要が伸びると期待している。今回の新製品は、ハイビジョンが受信できるモバイル機器向けチューナモジュールとして、かなりの低消費電力化ができたと考えている。小型・省電力・高感度という当社の強みを生かし、市場をリードしていきたい」と語った。

　 同社のモバイル機器向け地デジ用チューナモジュールは、国内ワンセグ放送受信用チューナモジュールに続き、今年７月に海外展開第１弾としてＤＶＢ−Ｈ/Ｔ−ＤＭＢ放送受信用チューナモジュールを製品化。今回の中国ＤＴＭＢ放送受信用チューナモジュールは海外展開第２弾となる。