各種産業機器向けねじり挿抜に強い0.8ミリピッチの基板対基板コネクタ「EdgeRateファミリー」など

　サムテックジャパン（横浜市港北区新横浜３―７―３、林律雄カントリーマネージャー）は、０８年１―６月の売上高が前年同期比で約２割増となり、高い成長を確保した。０８年度の下期に向けても、半導体テスター関連や計測関連、医療機関連向けのハイスピード対応製品などの拡販を強化し、成長の持続を目指す。

　同社は、米ＳＡＭＴＥＣ社（インディアナ州）の日本法人として２０００年に設立され、通信機器や産業機器、医療機、計測機器、ＦＡ・産業用ロボット、コンピュータ・ペリフェラルなどの市場向けのコネクタ販売、マーケティング、カスタマサポートを行う。

　ＳＡＭＴＥＣは１９７６年に設立され、米欧市場を中心に高い実績を持つ。同社が重視するのは（１）カスタマサービスの徹底（２）ミニマムオーダー（３）カスタム製品対応。

　カスタムサービスではスピードを特徴とし、顧客の求めるデリバリ、納期順守、サンプルは２４時間以内の出荷がポリシー。カスタム製品もスピーディかつ少量から対応し、大手ができないサービスがコンセプト。これらが評価され、ビショップのコネクタメーカー顧客満足度アンケートでは、０７年まで１３年連続１位を獲得している。

　日本市場では通信やＡＴＥ（自動検査装置）、計測関連、医療機関連市場などを重点分野に掲げ、高周波対応のシールド付き基板対基板コネクタや細線同軸コネクタなどを拡販する。

　新製品として各種産業機器向けに、こじり挿抜に強い０.８ミリピッチ基板対基板コネクタ「ＥｄｇｅＲａｔｅ（エッジレート）ファミリー」を販売開始した。

　バーチカルとライトアングルの組み合わせにより、挿抜を考慮した堅牢な構造になっている。メカニカルラッチ付きで、ロック強度を向上させており、耐振動性にも優れている。ケーブルを含めた供給を行う。

【ハイスピード対応】
　組込み系コネクタでは、ＰＣ／１０４エクスプレス規格対応の０・６３５ミリピッチ・ハイスピードコネクタ「ＱＭＳ／ＱＦＳシリーズ」（１５６極）を開発した。組込み系コネクタで求められる、パワーマネジメント、ハイスピード、取り扱い性などに優れた製品となっている。

　ＡＴＥ向け高周波ケーブルアセンブリは、米バンクーバーの自社ケーブル工場で特殊ハイエンドケーブルを生産し、ハイエンドカスタムケーブルアセンブリを展開している。

　０８年１―６月は、半導体テスター関連の細線同軸コネクタや計測器関連などがけん引し、前年同期比で約２割の増収となった。

　「これまでの取り組みが花開いてきた。新規顧客の開拓も含め、浸透してきている」（林カントリーマネージャー）。米ＳＡＭＴＥＣ社のグローバル売上高も、０８年１―６月は約２割の増収となり、好調に推移した。

　グローバル生産体制は、中国（恵州）、米国、マレーシア、コスタリカの世界４極体制を構築、顧客に近い場所でサポートできる体制づくりを強化している。恵州工場のメッキライン増強も、計画通りに進ちょくしている。