VICS受信に必要な機能を1チップに内蔵したＦＭ多重チューナLSI「LC01700」

　三洋半導体（田端輝夫社長）は、ＶＩＣＳ（道路交通情報通信システム）受信に必要な機能を１チップに内蔵したＦＭ多重チューナＬＳＩ「ＬＣ０１７００」を開発、今月末から量産を開始する。月産１０万個を計画。サンプル価格は５００円。

　２０１１年の地上デジタル放送全面移行に向けＶＩＣＳ受信用ＦＭ多重チューナの需要拡大が見込まれている。ＶＩＣＳは国内カーナビの約８割に搭載されているが、ＶＩＣＳ受信はアナログＴＶチューナ兼用が多い。

　 地デジ移行に伴い、チューナもデジタルに置換、新たにＶＩＣＳ受信専用チューナが必要になる。

　 ＬＣ０１７００は、ＶＩＣＳ受信用ＬＳＩとして初めてＣＭＯＳプロセスにより必要な機能をすべて１チップに内蔵することで従来、外付けだったディスクリート・トランジスタや抵抗コンデンサなどの部品を約２０％削減、ＦＭチューナモジュールの小型化、低コストおよび低諸費電力に貢献する。

　 入力信号レベルを検出し、レベルに応じた利得コントロールを行い、高性能な可変利得ローノイズアンプを内蔵。またアンテナ端での不要輻射が少なく、セット内の部品レイアウトの自由度が高い設計を実現できる。

　 同社は、ＶＩＣＳ導入当初からＶＩＣＳデコーダＬＳＩを製造・販売し、現在、約６０％のシェアを持つ。新製品は、国内だけでなく欧州や中国市場における拡販も視野に置く。