低雑音特性を実現した衛星デジタルラジオ用GaAsHEMT「MGF4921AM」

　三菱電機は、世界トップレベルの低雑音特性を実現した衛星デジタルラジオ用ＧａＡｓ（ガリウムヒ素）ＨＥＭＴの新製品「ＭＧＦ４９２１ＡＭ」を０９年１月２６日から発売する。サンプル価格は３０円。月産５０万個を予定している。

　 衛星デジタルラジオ放送（ＳＤＡＲＳ）は、交通情報やエンターテインメント情報のデータ通信サービスとして、０１年の北米に始まり、世界的な市場拡大が期待されている。受信感度向上のため、受信コンバータの中の低雑音増幅器などに用いるＨＥＭＴは、高性能な低雑音が求められている。

　 新製品は、ゲート幅の最適化などを行い、低周波数帯の安定性を向上、デバイス全体から発生する雑音の尺度である雑音指数（ＮＦ）を０.３５デシベル（従来比０.１デシベル向上）とした。Ｓ帯（２―４ギガヘルツ）からＣ帯に至る広い帯域で業界最高レベルの低雑音特性を持つＨＥＭＴを開発した。

　 業界標準の４ＰＩＮフルモードパッケージの採用により開発効率を向上している。

　 ▽ＨＥＭＴ＝高電子移動トランジスタ。通常のトランジスタより低雑音特性に優れる。