電波プロダクトニュース



090527_02
 
日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
5月27日090527_02 日立/日立ビークルエナジー ユニット 電源・アンテナ・高周波部品 自動車機器用

出力密度が現行の1.7倍の車載用リチウムイオン電池



 日立製作所と日立ビークルエナジー(茨城県ひたちなか市、川本秀隆社長)は、自社で量産中の車載用リチウムイオン電池と比較し、出力密度が1.7倍の4500W/kgとなる世界最高出力のリチウムイオン電池を開発したと発表した(既報)。今秋から国内外の自動車メーカー向けにサンプル出荷開始する。量産開始時期は、13年を予定する。

  新開発の電池は、第4世代リチウムイオン電池として開発したもの。電池の内部抵抗を軽減するために、電極にマンガン系の新規の正極材料を採用したほか、電極の薄膜化、集電方法および形状の工夫をした独自の電池構造により、世界最高出力を実現した。

 「電池の内部抵抗低減に徹底して取り組むことで、出力密度は現在量産中の第2世代品と比較して1.7倍、10年から量産開始予定の第3世代品との比較でも1.5倍を達成した」(長谷川泰二・日立製作所執行役専務電池事業統括推進本部長)。

 これにより、同じ性能で比較した場合に、第2世代品比でバッテリの質量・容積を約40%軽減できるとし「画期的なハイブリッド車用電池システムが実現できると考えている」(小関満・日立ビークルエナジー設計開発本部副本部長)。

 近年、携帯電話やノートPC、デジタルカメラをはじめとする民生機器向けに多くの実績があるリチウムイオン電池は、ニッケル水素電池と同一のエネルギー密度の場合に、ニッケル水素電池の体積と重量が約2分の1、鉛電池との比較では体積と重量が約3分の1と高いエネルギー密度を有する小型で軽量な2次電池という特徴を持ち、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)への適用が注目されている。

 日立グループは、2000年に世界で初めて安全で高性能かつ長寿命な自動車用リチウムイオン電池を開発・量産した。同社の車載用リチウムイオン電池は、ハイブリッドトラックなどの商用車や鉄道向けなどで採用が進んでおり、これまで累計60万セルの出荷実績を持つ。

第3世代品来年量産

 現在量産中の第2世代車載用リチウムイオン電池は、出力密度2600W/kgの製品。出力密度を高めた第3世代品3000W/kg)も開発を完了済みで、10年からの量産開始を予定する。さらに今回、大幅に出力密度を高め、出力密度4500W/kgを実現した第4世代品を開発したもの。

 第4世代車載用リチウムイオン電池の仕様(開発レベル)は、サイズ120×90×18ミリメートル、重量0.24kg、平均電圧3.6V、容量4.8Ah、出力密度4500W/kg。

 供給形態は、ユーザーのニーズに合わせ、セル単品および電池モジュールとして供給していく計画。

 日立グループは、車載用リチウムイオン電池事業売上高として、15年度(16年3月期)に年間1千億円を目指す。



| 全新製品情報 | 一般電子部品:製品別リスト |
|
電子デバイス:製品別リスト | 電子デバイス:用途別リスト|
|
ホームページへ戻る | 次データへ |