超低消費電流で高速応答0.05V/マイクロ秒のCMOSオペアンプ8品種

　ロームは、ＣＭＯＳシングルオペアンプシリーズで業界トップクラスの超低消費電流０.３５μＡ品、高速応答（高スルーレート）０.０５Ｖ／マイクロ秒品を開発した。アミューズメント機器、ポータブル機器、ＡＶ機器、ヘルス機器、防災・防犯機器などの低消費電力設計ニーズ、多機能化、高速化に伴う高スルーレートニーズに応えた。

　ともにＩ／Ｏタイプがフルスイングタイプとグランドセンスタイプ、温度範囲がマイナス４０―プラス８５度Ｃのスタンダードタイプとマイナス４０―プラス１０５度Ｃの広温度範囲タイプの計８品種取りそろえた。７月にサンプル出荷を始め、８月から量産に入る。

　開発したＣＭＯＳシングルオペアンプシリーズは、出力段、基準電流源の回路設計の最適化を図っており、消費電流を従来の２００分の１以下の０.３５μＡに抑えた超低消費電流品は、Ｉ／Ｏタイプフルスイング、電源電圧１.８―５.５Ｖ、スルーレート２.４Ｖ／ミリ秒の「ＢＵ７２６５Ｇ」（温度範囲＝マイナス４０―プラス８５度Ｃ）「ＢＵ７２６５ＳＧ」（マイナス４０―プラス１０５度Ｃ）、グランドセンスタイプ、１.６―５.５Ｖ、２.４Ｖ／ミリ秒の「ＢＵ７４１１Ｇ」（マイナス４０―プラス８５度Ｃ）「ＢＵ７４１１ＳＧ」（マイナス４０―プラス１０５度Ｃ）の４品種。

　０.０５Ｖ／マイクロ秒の高速応答を実現した高スルーレート品は、消費電流を８.６μＡに抑えたＩ／Ｏタイプフルスイング、電源電圧１.８―５.５Ｖの「ＢＵ７２７１Ｇ」（温度範囲＝マイナス４０―プラス８５度Ｃ）「ＢＵ７２７１ＳＧ」（マイナス４０―プラス１０５度Ｃ）、消費電流８.５μＡに抑えたグランドセンス、１.７―５.５Ｖの「ＢＵ７４２１Ｇ」（マイナス４０―プラス８５度Ｃ）「ＢＵ７２４２１ＳＧ」（マイナス４０―プラス１０５度Ｃ）の４品種。

静電耐圧業界トップ

　 いずれも入力、出力６個、電源―グランド間１個の計７個のＭＯＳＦＥＴ保護素子を採用し、これまで２―３ｋＶだった静電耐圧を業界トップの４ｋＶに高めた。低入力バイアス電流１ｐＡ。ＳＳＯＰ５（ＳＯＴ―２３相当）の小型パッケージを用いた。

　生産は前工程をローム・アポロデバイス（福岡県）、後工程をローム　エレクトロニクス　フィリピンで行う。それぞれ月産３００万個体制でスタートする。