小型携帯機器向け広角VGAカメラモジュール「FPDJ9シリーズ」

　アルプス電気は２２日、携帯電話や小型ゲーム機向けに、業界初となる広角（画角９０度）を実現した光学サイズ１０分の１インチのＶＧＡカメラモジュール「ＦＰＤＪ９シリーズ」を開発、今月からサンプル出荷開始すると発表した。光学設計の工夫により、ＬＳＩによる歪み補正を不要とし、携帯電話への搭載を容易とした。

　 サンプル価格は１５００円（税込み）。１１年４月には月産５０万個の生産を予定。生産は、中国・無錫アルプス（無錫市）で行う。

　 昨今、携帯電話のサブカメラで、自分自身や自分と同伴者を風景と一緒に撮影するケースが増えている。その際、従来のカメラは画角６０度前後が主流でカメラに収まる人数や風景が限られることから、より広い範囲が撮影できる広角タイプが求められていた。だが、従来の広角カメラは歪みをＬＳＩなどで補正する必要があり、車載などの用途に限定されていた。

　 新製品は、業界最薄サイズ（縦５.０×幅５.０×高さ２.７４ミリメートル）でありながら、業界初となる広角（９０度）撮影が可能な１０分の１インチＶＧＡカメラモジュール。独自のレンズシミュレーション、光学設計による同社レンズと筐体内部にレンズを直接取付ける独自のバレルレス構造を採用することで、広角ながら薄型かつ高品質（Ｆ２.８）を同時に実現した。画像補正なしでも使用が可能なため、携帯電話への搭載が容易。

　 主な用途は、携帯電話、ノートＰＣ、ゲーム機、各種機器の画像認識用センサーなど。

　 レンズは２枚構成。歪み１％以下。接続方式はフレキシブル基板/ソケット。