タブロイド版と同サイズの19型ワイドフレキシブル・ディスプレイ

　【ソウル支局】韓国のＬＧディスプレー（ＬＧＤ）はこのほど、タブロイド版の新聞とほぼ同サイズとなる世界最大の１９型ワイド（２５０×４００ミリ）フレキシブル・ディスプレイの開発に成功したと発表した。厚さは０.３ミリ、重さ１３０グラム。電子新聞に最適で、本物の新聞紙と同じような感触を提供できるという。

　同製品は、金属フォイルをベースとしており、従来のガラス基板ベースのディスプレイに比べ柔軟性、耐久性に優れる。またＬＧＤは今回、各画素に信号を送る駆動ＩＣをパネル上に直接置く「ゲートインパネル（ＧＩＰ）」技術を採用。従来ならパネル側面に配され、ディスプレイの折り曲げを難しくする駆動ＩＣをパネル表面に移動することで、柔軟性を大幅に向上させた。

　 ＬＧＤの鄭仁宰最高技術責任者（ＣＴＯ）は「世界最大のフレキシブル・ディスプレイの開発により当社は、電子ペーパーの次世代ディスプレイ分野における新市場を開拓した。電子ペーパー市場は急成長を遂げている。当社は今後も、業界をリードする製品、差別化製品を通じて顧客に新たな価値を提供し続けていく」と述べた。

　 フレキシブル・ディスプレイはこれまで、ＬＧＤが開発した１１.５インチ製品が最大。米出版大手ハーストの子会社で電子書籍・広告事業の米スキッフ社は、同ディスプレイを採用した業界最大にして最薄、高解像度の電子書籍リーダーを発表。今月、米ラスベガスで開催された民生電子機器展「ＣＥＳ２０１０」でも公開した。

　 ＬＧＤは今年上半期にも、この１１.５インチ製品の量産を開始する予定。今回発表した１９型製品の生産計画は、明らかにしていない。