電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
1月21日100121_01 三菱電機 ユニット 電源・アンテナ・高周波部品 一般産業用

鉄道向けSiCダイオード搭載の1200A/1700Vのパワーモジュール


 三菱電機は20日、SiC(炭化ケイ素)ダイオード搭載によりSi(ケイ素)デバイスのみでは実現できない低損失で1200A/1700Vという大容量パワーモジュールの開発を発表した。SiCのダイオードとSiのIGBT(絶縁型バイポーラトランジスタ)と組み合わせた。同社はこれを用いたインバータで鉄道車両用モーターの300kWにおける安定駆動の確認にも成功。「さらに低損失化と信頼性検証技術を進め、鉄道車両用などの大容量インバータの早期実用化を目指したい」(先端技術総合研究所パワーエレクトロニクス開発センター・小山健一センター長)。

 三菱電機は1990年代初頭からSiCデバイスの開発に着手、家電から産業機器、自動車など産業用分野まで独自のSiCパワーエレクトロニクス技術を適用、省エネに貢献してきた。社内のシナジー効果を生かし、チップ・モジュールから機器・システムまでを一貫開発できるのが強み。
  今回の低消費電力で大容量動作を可能にする世界トップレベルの新型モジュールの開発は今後、世界的に市場の伸長が予測されている鉄道車両分野への展開に大きな一石を投ずるものとして注目される。

  新開発モジュールはトランジスタ部に150A/1700VのCSTBTを8個並列接続し、ダイオード部に75A/1700VのSiC―SBD(ショットキー・バリア・ダイオード)を16個並列接続し、1200A/1700Vの大容量パワーモジュールとした。

  すべてがSiデバイスタイプに比べトランジスタのターン・オン損失が約55%削減、ダイオードのリカバリ損失が95%以上低減した。このパワーモジュールを3個用いたインバータで鉄道車両用3相モーターを駆動、300kWの出力が低速から高速まで良好な動作を確認している。同インバータは、従来のSi製鉄道車両用インバータと比較して、ランカーブ損失シミュレーションにより、電力損失を最大約28%削減、実走行を想定した平均損失で約19%削減される。

  関連特許は国内83件、海外17件を出願済み。

  ◇CSTBT=キャリア蓄積効果により、オン電圧が低く低損失なトレンチ構造のIGBT。



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