電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
3月29日100329_02 日本ケミコン 受動部品 コンデンサ 自動車機器用

WV/HEV車載向けナノハイブリッドキャパシタ2タイプ


 日本ケミコンは、ナノハイブリッドキャパシタを対象に11年4月のサンプル供給を目指し、量産化に向けた本格的な開発を始める。東京農工大学との共同研究で得られた成果を実用化するもので、巻回構造の円筒型で高エネルギータイプと高出力タイプの2タイプを商品化する計画。電気自動車(EV)や、ハイブリッドカー(HEV)への本格的な搭載を目指す。

 このナノハイブリッドキャパシタは、06年に東京農工大学にキャパシタ分野に特化した寄付講座「キャパシタテクノロジー講座」を開設し、東京農工大学大学院・直井研究室(直井勝彦教授)や、ケー・アンド・ダブル(東京農工大学発ベンチャー)との産学連携で開発した。

  同キャパシタは、一般的な電気二重層キャパシタが正負電極材料に活性炭を使用しているタイプや、負極にリチウムをプレドープしたリチウムイオンキャパシタとは異なり、負極に10―20ナノ程度にナノ結晶化したチタン酸リチウムをカーボンナノファイバと複合化した電極材料を用いた。

  現行の電気二重層キャパシタの出力密度を維持したまま、最大で約3倍のエネルギー密度を実現できる。リチウムイオンキャパシタに比べ、同等のエネルギー密度を維持しながら、約1.5倍の出力密度の実現が可能であるほか、低温特性に優れ、マイナス20―40度Cの環境でも良好な性能を発揮する。

  さらに、信頼性の面でも負極電位は1.55Vとリチウムイオンキャパシタ(同約0V)よりも高いため、電解液の分解や金属リチウムの析出が起こらないことから、安全性にも優れている。

  内秀則常務は、商品化に向けて「材料を内製化でき、しかもリチウムのプレドープを行わずに電極を形成できるため、量産性に優れている」として、実用化に自信を深めている。

  製品化の目標は、現行の電気二重層キャパシタに対して約3倍のエネルギー密度を有する高エネルギータイプと、出力密度を維持し、エネルギー密度を約2倍にした高出力タイプの2種類。定格電圧は2.8V。「様々な用途開発が可能だが、特に今後急速に普及が進むと見られるEV、HEVでの採用を提案していく」(同常務)という。


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