電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
8月25日 100825_02 サンケン電気 ユニット 電源・アンテナ・高周波部品 パソコン・OA機器・LAN用

出力600Wで94%の高効率実現のサーバー用電源


 サンケン電気は23日、出力電力600Wクラスで94%の高効率を実現したサーバー用電源を開発、11年1月から出荷を開始すると発表した。11年1―3月で5千台、11年度では5万台の出荷を計画しており、サーバー用電源として5年後には世界シェア5%の獲得を視野に、製品展開を推進する構えだ。

  新製品の最大の特徴は、負荷50%時で94%という高効率を実現している点。昨今ではブレードサーバーの登場などで、サーバー環境の高密度化が進んでおり、サーバー環境全体とともにサーバー単体での省電力化が求められる。そのため電力を効率的に利用するうえで、サーバー用電源に対する期待も小さくない。

  例えば、85%の効率を持つ電源であれば、600Wの出力電力を得るためには706Wの入力電力が必要になる。ここでは106Wの電力が余分な熱として生じることになるが、93%の効率を実現する電源であれば、入力電力は645Wで済み、45Wの電力が熱として生じるのみである。

  そうした高効率を実現するために同社は、従来型の回路構成を見直し、PFC回路のブリッジ整流器を省略。ACラインを直接スイッチングする構造を採用した。それにより、従来電流経路上に3個あったICの数を2個に減らし、その分損失を減らすことに成功したという。

  加えて窒化ガリウム(GaN)や炭化ケイ素(SiC)ベースの高額部品を用いることなく、高効率を実現しているため、1台当たり5万円という価格を実現している。同社の技術本部PM事業部技術2グループ・佐野一好リーダーは「新回路を用いずに同等レベルの効率を実現しようとすれば、(新製品に搭載している部品の)10倍ぐらい高価な部品を利用する必要がある。しかし、開発した電源は廉価部品のみで構成している」と話す。

  また新製品は、米エコス・コンサルティング社が管理する電気機器の省電力化認証プログラム「80PLUS」で、20―100%の負荷環境下の電力変換効率として最高ランクのプラチナ認証を日系企業として初めて取得した。同社によると、プラチナ認証の取得企業は8月現在で米HP、米デル、韓国サムスンなどの15製品だけという。

  なお、サイズは幅110ミリ×厚さ40ミリ×奥行き315ミリメートル、重さは1.5キログラムとなる。


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