電波プロダクトニュース



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11月18日 101118_01 イーメックス 電子材料 電子材料 自動車機器用

リチウムイオン電池用フィルム状導電性高分子正極


 イーメックス(大阪府吹田市垂水町3―9―30、瀬和信吾社長)は、リチウムイオン電池用にマンガンなどの従来正極に比べ約5分の1のコストで製造でき、充放電性能を鉛電池の約2倍にしたフィルム状の導電性高分子正極の開発に成功した。リチウムイオン電池のコストの約半分を正極が占めていることから、正極に開発テーマを絞り込み研究開発を続けていた。自動車メーカー、電池メーカーなどにサンプル出荷を始め、来秋をメドに量産を開始する予定。現在、工場建設候補地を国内で選定中だ。

 開発した導電性高分子正極は、これまで導電性高分子の粉末に樹脂バインダを加え、フィルム電極を成型していたのを導電性高分子だけを用い、ロール・ツー・ロールによる電解重合の1工程でフィルム状に連続製造した。

  導電性高分子の粉末に樹脂バインダを加え、フィルム電極を成型していた従来の導電性高分子正極で課題だった絶縁性の樹脂バインダで導電性が低下し、十分な充放電性能が出なかった耐久性、寿命の課題を解決。

  電極素材の導電性高分子は樹脂のため価格が安く、電極の製造方法もロール・ツー・ロールによる電解重合の一工程で連続製造(電解重合・洗浄・乾燥・巻き取り)ができるため、製造コストはWh当たり20―50円とみている。これまでの正極のマンガンなどに比べ、約5分の1に低減した。

  9年間、導電性高分子の研究開発を続け、導電性高異分子のフィルム化技術とアクチュエータ技術を確立。導電性高分子のイオンのドープ・脱ドープ技術では世界最高レベルの研究開発を行い、培ってきた導電性高分子のフィルム化技術を今回、リチウムイオン電池の正極開発に用いた。

  試作した導電性高分子正極は1.5×1.5センチメートル角、厚さ100マイクロメートル、重さ0.0031グラム、電気容量60mAh/グラム。

  正極に導電性高分子、負極に0.5ミリ厚みのリチウム板、セパレータに0.0025ミリのPPを使用した耐久性・寿命試験では、20年以上に相当する1万5千回以上の充放電特性(ハーフセル、充電CC1.0mA→4.0Vプラス10minCV、放電CC1.0mA→1.5Vカット、電解液ECプラスDEC=1対1LiBF4―1M)を確認できている。

  エネルギー密度は60―80Wh/キログラム(3カ月程度で130Wh/キログラム以上)、出力密度は3千W/キログラム以上、充電時間5―10分。



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