小型で47μFの大静電容量実現の積層セラミックコンデンサ

　太陽誘電は、スマートフォンやタブレットPCなどの急成長機器向けスーパーハイエンド商品の具体的な開発、販売を加速している。業界で初めて1608サイズで47μFの大静電容量を実現した積層セラミックコンデンサを開発した。コンデンサの搭載点数を削減し、しかも高密度実装化に貢献する。玉村工場（群馬県玉村町）において、月産500万個体制で量産を開始した。サンプル価格は50円。

　綿貫英治社長は、今後の成長戦略として「グローバル市場での競争力を高めていくためには、世界で2.5社以内のわずかな部品メーカーしか供給できない、高度な技術を使った製品を多く開発し、供給できることが求められる」として、スーパーハイエンド商品での売上げ拡大を目指している。

　スーパーハイエンド商品は、スマートフォンやタブレットPC向けを強く意識した商品で構成する。今回の新製品もスーパーハイエンド商品の一つ。「3カ年計画では、積層セラミックコンデンサはスーパーハイエンドゾーンで、シェア50％以上を確保を目指している」（綿貫社長）。

　今回の製品は、積層技術や薄層化技術に代表される最先端技術を駆使。1608サイズで600層に及ぶ多積層を実現させ、同社従来品の1608サイズ積層セラミックコンデンサの最大静電容量であった22μFから2倍以上向上させた。小型・薄型で高機能化の進む小型モバイル機器のIC電源ライン向けデカップリング用途に最適な商品。

　スマートフォンやタブレットPCなどの小型モバイル機器では、多機能化、高性能化が進み、その小型で薄型な筐体に多くの機能を集約することが求められている。これらの機器では、電源回路向けのデカップリング用途として小型の積層セラミックコンデンサが使用されている。高性能化が進むICを安定駆動させるため、デカップリング用途の積層セラミックコンデンサには小型形状を維持したまま、大容量化することが求められている。

　同社は、84年のニッケル電極大容量積層セラミックコンデンサの商品化以来、材料技術や積層技術などを高度化することで小型化、大容量化を進めてきた。

　今回の新製品は、さらに技術を進展させて開発した。