高輝度LED用透明で導電性のある酸化ガリウム基板

　タムラ製作所は、１２年度内に酸化ガリウム基板のサンプル出荷を開始する。かねてからＬＥＤ用基板としての実用化に取り組んできたが、ここにきて直径２インチクラスでのサンプル供給が可能になったことを機に評価用として出荷を開始することにした。

　同社はＬＥＤ照明を専門事業とする子会社の光波とともに、酸化ガリウム基板の実用化に取り組んできた。透明で導電性である特徴を生かした酸化ガリウム（Ｇａ　２Ｏ　３）基板上にＬＥＤ（ＧａＮ　ｏｎ　ＧａＯ　ＬＥＤ）を作製することにより、現在主流のサファイア基板上のＬＥＤに比べ、１０倍以上の電流を流すことが可能。

　そのため、ヘッドライトやプロジェクタ用などに適した高輝度な光源であるとともに、低コスト化が可能であるという特徴を有するため、ＬＥＤ照明の普及への貢献や多様なアプリケーションへの展開が可能となる。

　さらにタムラグループでは、独立行政法人情報通信研究機構と共同で、新しいワイドギャップ半導体材料であるＧａ　２Ｏ　３単結晶基板を用いた電界効果型トランジスタ（ＦＥＴ）を開発し、その世界初の動作実証に成功している。

　この研究の一部は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）からの委託事業である平成２３年度「省エネルギー革新技術開発事業　挑戦研究（事前研究一体型）／研究課題名＝超高耐圧酸化ガリウムパワーデバイスの研究開発」により実施したもの。