電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
1月28日 130128_01 ローム ユニット 電源・アンテナ・高周波部品 一般産業用

定格1700Vのフルシリコンカーバイド(SiC)パワーモジュール


 ロームは、定格電圧1700V、定格電流100AのフルSiC(シリコンカーバイド)パワーモジュールを開発し、1月からサンプル出荷を開始した。

 内蔵するパワー半導体素子を全てロームのSiCパワー半導体で構成した。これまで定格電圧1200V、定格電流120V、180AだったフルSiCパワーモジュールの定格電圧を1700Vまで上げ、高電圧対応が必要な産業機器などに使用できるようにした。外形寸法は1200V、120V、180Vと同じ122×46×17ミリメートル。

 高須秀視常務取締役は「微細化以外の半導体で新しい世界を広げていこうと、MORE MOOREからMORE THAN MOOOREへの取り組みを進めている。SiCパワーデバイス、モジュールの開発、商品化もその一環だ。定格電圧、定格電流を高めることで応用範囲が広がり、様々な機器の低消費電力化、小型化に大きく貢献できる」と言う。

 また、定格電圧1200Vで定格電流300AのフルSiCパワーモジュールを産業機械や太陽光発電のパワーコンディショナなどのインバータ、アップコンバータ用に年内にサンプル出荷を始める予定。さらに定格電圧1700Vで定格電流250A、300AのフルSiCパワーモジュールのラインアップを検討。高電圧、大電流化により産業機械のほか、電気自動車/ハイブリッド車、電鉄車両、スマートグリッド送配電の市場ニーズに応えていく。生産はいずれもローム本社工場(京都市)で行う。

 SiCパワー半導体レベルでは、すでにフランスの鉄道車両メーカー、アルストム・トランスポート社が開発中の定格電圧1700V、定格電流250A×2のフルSiCパワーモジュールに昨年からSiCショットキーバリアダイオード(SBD)とSiCMOSトランジスタ(SiC―MOSFET)をサンプル供給。アルストム・トランスポート社が同フルSiCパワーモジュールの1、2年後の量産を目指している。

 ロームは12年3月に内蔵するパワー半導体素子を全てSiCで構成したフルSiCパワーモジュールの量産に世界で初めて成功した。6月には第2世代となるSiC―SBD、SiC―MOSFETを市場投入した。

 SiC―SBDは11年11月から最大手のエアコンメーカーに出荷を開始。12年12月現在、累計14万台の同メーカーのエアコンに供給している。

 同社SiCパワーデバイスはエアコンのほか、サーバー、各種産機用の電源や太陽光発電パワーコンディショナ、高周波電源、レーザー発振器、非接触充電などの各種産業機器、EV急速充電器などに供給。13年からはEV急速充電器市場が立ち上がってくるとみている。



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