熱式MEMSフローセンサーチップ使用のMEMS差圧センサー

　オムロンは、熱式ＭＥＭＳフローセンサーチップを用いた「ＭＥＭＳ差圧センサー」を開発し、販売を開始した。従来方式の差圧センサーに比べ計測範囲が広く、低圧力域での感度、再現性に優れる。エネルギー監視やキメ細かな制御が求められているＢＥＭＳ、ＨＥＭＳ、医療機器などの流量計測用に供給する。生産工場はオムロン野洲事業所（滋賀県野洲市）。１４年度３億円の売上げを見込んでいる。

　新開発のＭＥＭＳ差圧センサーは、独自の熱フロー方式を採用することで一般的に使用されている静電容量方式やピエゾ方式などの差圧センサーに比べて計測範囲が広く、低圧力域での感度、再現性を高めた。

　また、内蔵ＡＳＩＣで直線補正、温度補正のデジタル補正を行い、これまでのアナログ出力タイプで実現できなかった高精度、温度影響を低減した差圧計測を可能にした。デジタル補正アルゴリズムによって３％Ｒ.Ｄ.の高精度を実現。制御効率を最適化した。

　センサーの流量抵抗を大きくすることで、バイパス方式による流量計測において、配管長、内径などの配管条件の影響を受けにくく、安定した測定が可能。流体解析技術を駆使した流路設計により、パッケージサイズを２６×２２×１８ミリメートルに小型化した。センサー素子のオープン、ショート異常、供給電圧の異常を検知できる。

　測定範囲０―２５０パスカル／±５０パスカル／±５００パスカルの３機種を取りそろえた。いずれも▽適応流体空気▽分解能１２ビット▽ゼロ点精度±０.２パスカル▽スパン精度±３％Ｒ.Ｄ.▽温度特性（スパン）１０度Ｃ変化ごとに±０.５％Ｒ.Ｄ.以下▽応答速度２５ミリ秒（Ｔｙｐ）５０ミリ秒（Ｍａｘ）▽電源電圧２.３―３.６ＶＤＣ▽消費電力最大２０ｍＡ▽耐圧１０ｋパスカル▽通信方法Ｉ２Ｃ▽使用温度範囲-２０―+８０度Ｃ▽保存温度範囲-４０―+８０度Ｃ。