従来の10倍の耐久性を有するLED照明対応アルミ電解コンデンサ

　日本ケミコンは、ＬＥＤ照明用アルミ電解コンデンサの売上げを伸ばしている。東日本大震災、原発事故以来、省エネ化機運が高まり、ＬＥＤ照明の普及が急速に進展している。この動きを背景に電球、シーリングタイプ、直管タイプから屋外街路灯、表示板まで、様々なＬＥＤ照明向けの受注が活発化しているという。

　柿崎紀明常務によると「エネルギー関連の受注が総体的に活発化している。中でも省エネ化でＬＥＤ照明向けについては、前年同期比２０―４０％増で推移している。特に２５０Ｖタイプや４５０Ｖタイプといった中高圧品の受注が増えている」と足元のＬＥＤ照明向け受注状況を語る。

　また、台湾市場ではＬＥＤ街路灯に向けた一括受注を確保するなど、海外市場でも一部で売上げを伸ばしている。

　同社は、ＬＥＤ照明向けにリードタイプの「ＫＭＧシリーズ」や「ＫＭＱシリーズ」を販売してきたが、新たに「ＬＥシリーズ」を開発するなど、ＬＥＤ照明対応製品を拡充している。

　このＬＥシリーズは、小型サイズでの長寿命特性を実現するために、従来品と比べて高温度領域での安定性に優れた電解液と、物性劣化に対する耐久性を向上させた封口ゴムを採用。これにより、従来品ＫＭＱシリーズと比較して１０倍の耐久性に相当する１０５度Ｃ１万時間保証を実現した。照明機器の長寿命化に貢献する。

　さらに中高圧タイプも長寿命を特徴とする品ぞろえを拡充しており、総合的な競争力を高めている。

　今年度下期にかけては「受注の小さな波はあるが、総じて高水準の需要が続くだろう。おそらく１５年頃までの需要は期待できる」（柿崎常務）としている。