電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
6月9日 150609_02 住友電気工業 半導体素子 ディスクリート 自動車機器用

SiC(炭化シリコン)を材料とする低オン抵抗で高効率のパワートランジスタ


受賞した内田氏奄ニ会議主催者
シン香港科技大教授

 住友電気工業は次世代パワー半導体として注目されるSiC(炭化シリコン)を材料とする、新規構造のパワートランジスタを開発した。

 電気自動車(EV)/ハイブリッド電気自動車(HEV)や太陽光パワーコンディショナなどの用途に適した低オン抵抗、高安定性などの優れた特徴を実現した。

 近年、省エネルギー化の要求が高まる中、パワー半導体には電力変換損失の低減が求められている。SiCはシリコンと比べて高い電圧に耐えられ、抵抗が小さい特性から電力機器の損失を大きく低減できる可能があるため、次世代パワー半導体として期待されている。 

 しかし、化合物半導体であるSiCには、結晶欠陥などによる信頼性の問題があった。

 今回開発した同社の「V溝型金属・酸化膜・半導体構造トランジスタ(VMOSFET)」は、電子の流れをオンオフするチャンネル部分に特殊な面方位を利用している。そのため欠陥の少ない酸化膜界面を形成し、耐圧1200V、オン時の抵抗は2.0mΩ平方センチメートルと十分な低抵抗値を実現した。

 低欠陥特性であることから、SiCトランジスタで実用上の課題とされていた閾値電圧変動も175度、1千時間で0.12V以下を確保し、高安定性を示した。

 同社パワーシステム研究開発センターで開発中の太陽光パワーコンディショナに搭載し、業界最高水準の97.6%の効率を実証した。

 同素子は産業技術総合研究所(産総研)の量産試作ラインなどを活用しながら、量産製造技術を確立。事業化する予定。

 本成果は第27回インターナショナル・シンポジウム・オン・パワーセミコンダクターデバイス&ICs(ISPSD)で報告。パワーデバイス開発技術部の内田光亮氏が若手最優秀賞を受賞した。


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