PV用インバータやUPS向け高効率のIGBT　S5ファミリー

インフィニオンのＩＧＢＴ「ＴＯ-２４７- ６５０Ｖ-Ｓ５」

　独インフィニオンテクノロジーズはこのほど、ＩＧＢＴ（絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ）の特性を向上させて、新たに「Ｓ５（Ｓはソフト・スイッチング）」ファミリーを製品化した。

　新製品は超薄型ウエハー技術ＴＲＥＮＣＨＳＴＯＰ　５を採用したＩＧＢＴ。このファミリーは、太陽光発電（ＰＶ）用インバータやＵＰＳ（無停電電源装置）で一般的に使われている最大スイッチング周波数４０キロヘルツまでの産業用アプリケーションにおけるＡＣ―ＤＣエネルギー変換向けに開発された。

　このＳ５デバイスは、システム効率を高めたいというメーカーの要求に対応し、設置された太陽電池から、最も高い９８％を超えるエネルギーを取り出せるので、システムコストを削減できる。最終顧客のために耐久性と品質のレベルを向上し、最長２０年の動作寿命を実現している。

　全体として、このＩＧＢＴは、効率の改善、価格競争力、耐久性を提供する。

　このＩＧＢＴはスイッチング動作をソフトにし、ゲートクランプ回路のコンデンサとツェナーダイオードを不要とすることで、回路の複雑さが軽減され、最終的にはシステム全体のコストを削減できる。

　今回新たに製品化されたデバイスは、１７５度でのコレクタ―エミッタ間飽和電圧が標準値で１.６０Ｖと、業界をリードする低さ。したがって、高温動作中でも高効率が得られる。

　最大コレクタ電流が３０Ａ、４０Ａ、５０Ａ、７５Ａの最初の製品群は、３ピンのＴＯ―２４７パッケージに収められ、フリーホイールダイオードＲａｐｉｄ１と一緒に封止されている。