ワイヤレス・センサーへの給電に最適な昇降圧DC/DCコンバータ

リニアテクノロジーの昇降圧ＤＣ／ＤＣコンバータ 「ＬＴＣ３１０６」

　リニアテクノロジーはマルチソース低消費電力システム用に最適化され、パワー・パスマネジメントを備えた、暗電流１.６μＡ、起動電圧３００ｍＶの高集積昇降圧ＤＣ／ＤＣコンバータ「ＬＴＣ３１０６」の販売を開始した。

　新製品は、環境発電（エナジーハーベスト）によって補完される再充電可能バッテリや１次電池から低消費電力ワイヤレス・センサーへの給電に最適。

　最大電力点制御機能を搭載している。そのため光起電力セル、熱電発生器、燃料電池などの高インピーダンス電源に対応できる。

　バッテリが接続されている時に、主電源から３００ｍＶ―５.５Ｖの入力電圧範囲で動作する。バックアップ電源入力に接続された１次電池と再充電可能バッテリの両方に対応。バッテリがない場合、８５０ｍＶ―５.５Ｖで動作し、起動後は最小３００ｍＶまで動作する。主電源が利用できない時は、バックアップ電源にシームレスに切り替える。取り込んだエネルギーから得られる主電源は、負荷に電力を供給するだけでなく、余剰エネルギーが利用可能な場合には、必要に応じてバッテリをトリクル充電できる。

　ＬＴＣ３１０６は、定常状態で３００ｍＡ、ピーク負荷で６５０ｍＡの電流を最大９２％の効率で供給。バースト・モード動作では暗電流がわずか１.６μＡで、あらゆる動作条件でのコンバータ効率を向上する。消費電力ゼロの「シェルフ・モード」により、バックアップ・バッテリは長時間接続されたままのときでも、充電状態を保持する。

　このほか、低消費電力アプリケーション用の９０ｍＡのピーク電流制限設定、再充電可能バッテリ用の選択可能な過電圧および低電圧保護、サーマル・シャットダウン、選択可能なプリセット出力電圧、パワーグッド出力電圧信号などの特徴を備えている。

　ＬＴＣ３１０６は、２０ピン３×４ミリメートルＱＦＮパッケージとＴＳＳＯＰ−２０パッケージで供給される。１千個時の参考単価は２.９４ドルから。