電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
2月15日 170215_02 大陽日酸 電子材料 電子材料 一般産業用

120度の低温でも焼結が可能な高純度銅ナノ粒子の開発に成功


PENに塗布し焼成した塗膜

 大陽日酸は120度の低温でも焼結可能な高純度銅ナノ粒子の開発に成功した。

 銅ナノ粒子は、プリンテッドエレクトロニクス技術を応用した微細配線向けに需要が高まっている。

 従来、銀粒子が使用されていたが、配線の微細化が進み、電子部品の配線や電極に用いた金属が絶縁物の上を移動し、絶縁抵抗を低下させるイオンマイグレーションの解決やコストダウンとして銅への代替が検討されている。特に、樹脂基板でも焼成できる低温焼結性の銅ナノ粒子が求められている。

 同社は、独自開発した酸素燃焼による金属ナノ粒子の合成技術を活用。バーナーを用い、LNG(液化天然ガス)などの燃料を酸素不足の状態で燃焼させ、還元雰囲気に制御した火炎を発生させる。その中に10マイクロメートル程度の金属酸化物などの粉体を投入、加熱・還元・蒸発・再凝集させることで極めて簡易な全乾式合成プロセスにより、大量のナノ粒子を低コストで合成することができた。

 従来、同プロセスで合成した銅ナノ粒子は、窒素ベース水素2―3%の還元雰囲気で焼成した場合、焼結して導電性が発現する温度が170度程度であり、樹脂基板に回路を印刷して焼成する場合、基板にはポリイミドなどの耐熱樹脂に限られていた。

 同社の銅ナノ粒子は粒子径100ナノメートル程度で、表層が亜酸化銅で被膜された粒子(乾粉)で有機保護膜がなく、かつ大気中で比較的安定にハンドリングが可能な高純度銅ナノ粒子。

 今後、同社は山梨研究所内に銅ナノ粒子専用製造ライン(生産量:数百グラム/時)を設置し、サンプル供給体制を構築。評価を行うためにサンプル提供を開始する。

 また、この銅ナノ粒子を用いたパワー半導体などの接合材も開発中。

 同技術は15―17日に東京ビッグサイトで開催される「ナノテク2017」でパネル展示する。


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