パルストランス内蔵型の丸型M12コネクタ「Ｍ12Magnetics」

パルストランス内臓丸型M12コネクタ [引用:ハーティング株式会社]

　ハーティング（横浜市港北区）は、イーサネット通信のスマートな基板接続インターフェイス提案として、業界初となるパルストランス内蔵型の丸型Ｍ１２コネクタ「Ｍ１２Ｍａｇｎｅｔｉｃｓ」の拡販を強化する。同製品は標準Ｍ１２インターフェイスでの接続と比較し、大幅な基板スペース削減が可能で、機器設計の簡素化にも貢献する。

　Ｍ１２Ｍａｇｎｅｔｉｃｓは、イーサネット通信用に、世界初のパルストランス内蔵Ｍ１２コネクタとして開発した製品。

　機器側のイーサネット用インターフェイスには、一般的にコネクタとイーサネット用ドライバーチップ間に伝送のノイズ除去・機器保護のため、パルストランスを必要としている。このパルストランスは、ＲＪ４５コネクタではジャックに内蔵されている一体型が既に製品化されていたが、Ｍ１２通信用コネクタではパルストランスの機能を基板上のコネクタとドライバーチップ間に形成しているのが一般的だった。

【　優れた信号品質　】

　同社は世界で初めて、基板取り付けのイーサネット通信用Ｍ１２コネクタにパルストランスを内蔵した一体型を提供する。同製品は、標準のＭ１２インターフェイスにパルストランスを内蔵しており、基板上のパルストランス回路を省略でき、従来の方法に比べて、最大３０％の基板スペースの削減になる。これは製造現場でもトレンドとなっているイーサネット機器の小型化に大きく貢献する。また、コネクタとパルストランスを一体化することで、個別の部品を組み合わせる場合に比べて、機器設計を簡素化し、高い信号品質を保証する。

　パルストランス内蔵Ｍ１２コネクタは、Ｍ１２コネクタの高い防じん防水性（ＩＰ６５／６７）を備え、伝送速度１００Ｍｂｐｓ対応４ピンのＤコードと最大１Ｇｂｐｓもしくは１０Ｇｂｐｓ対応の８ピンＸコード、ストレートバージョンとアングルバージョンを用意している。

　同社は、先頃開催された「ＪＰＣＡ　Ｓｈｏｗ２０１８」（東京ビッグサイト）で、パルストランス内蔵Ｍ１２コネクタと、従来のソリューション（Ｍ１２コネクタプラスパルストランスユニット）の比較展示などを行い、来場者の関心を集めた。

　ＪＰＣＡ　Ｓｈｏｗではこのほか、「ｐｒｅＬｉｎｋ接続システム」の追加ラインアップとして、基板にイーサネット接続が可能な「Ｈａ―ＶＩＳ　ｐｒｅＬｉｎｋ　ＰＣＢ」などを紹介した。

　同社は、独ハーティングテクノロジーグループの日本法人。ハーティングテクノロジーグループは、電気・電子、光接続、通信、ネットワーク技術、製造、メカトロニクスやソフトウエア開発の専門技術をベースに、データ、信号、パワーの三つの産業ライフライン向けのソリューション・製品を製造・販売している。