18.5×1.75ミリ、金属環境に強い超小型のNFC対応アンテナ

SLC NFCアンテナ [引用:SMK株式会社]

　ＳＭＫは４日、同社とスロバキアのＬＯＧＯＭＯＴＩＯＮ（ロゴモーション）社との合弁会社であるＳＭＫ―ロゴモーション社（東京都品川区）が、ＮＦＣ（近距離無線通信）に対応した業界最小レベルの超小型アンテナを開発し、受注活動を開始したと発表した。同ＮＦＣアンテナは金属環境に強く、全方向からの通信が可能。

　開発したアンテナは同等の通信特性を持つ従来のアンテナ（２０×２０ミリメートル程度）に比べ、１０分の１以下の面積（１８.５×１.７５ミリメートル）を実現しており、小型の製品にも搭載することができる。製品名は「ＳＬＣ　ＮＦＣアンテナ」。

　従来のアンテナには周囲に金属があると通信特性が悪化するという課題があるが、同社が開発したＳＬＣ　ＮＦＣアンテナは、通信特性の変化が少ないため、機種ごとにＮＦＣ設計を行う必要がない。加えて、アンテナ周辺の金属部品の配置調整、基板のグランド抜きやフェライトシート貼り付けなどの金属対策が不要であるため、ＮＦＣ設計の工数削減が可能となる。

リフローに対応

　どの方向からも通信が可能であるため、ユーザビリティが高く、あらゆる製品にＮＦＣ機能を搭載することが可能。アンテナの両端に電極があり、リフローに対応しているためＳＭＴが可能で、ピンコネクタなどは不要。

　同製品は日本、米国、中国、台湾などで特許を取得済み。今月から量産開始する。用途は、ＮＦＣ搭載製品各種（スマホ、スマートウオッチ、決済端末、カードリーダー、メモリーカード、ヘルスケア製品など）。

　主な仕様は、周波数帯は１３.５６ＭＨｚ。無線規格はＩＳＯ／ＩＥＣ１８０９２、ＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３。外形寸法は１８.５×１.７５×高さ０.８ミリメートル（大型タイプ）および９×０.９５×高さ０.８ミリメートル（小型タイプ）。

　同社では今後も、ＮＦＣに対応する超小型アンテナの製品ラインアップを拡充していく計画。

　ＳＭＫ―ロゴモーション社は、近距離通信ビジネスの展開のために設立した合弁企業で、ＳＭＫとロゴモーション社との合弁により１５年５月に設立された。出資比率はＳＭＫ５１％、ロゴモーション社４９％。

　ＳＭＫは新規事業として、ＳＭＫ―ロゴモーション社の近距離無線ビジネスの展開強化に努めている。さらに、ＮＦＣ市場のグローバルでの成長に照準を合わせ、ＳＭＫ―ロゴモーションビジネスを今後、本格化させていく計画。

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