車載、５Gなどの重点市場に利用可能なMEMS技術を使った小型、高機能センサー

北陸電気工業の小型、低背タイプＭＥＭＳフォースセンサー

　北陸電気工業は、ＭＥＭＳ技術を使った小型、高機能センサーのラインアップを拡充している。スマホ／ウエアラブル、自動車、産業機器、医療／ヘルスケア、白モノ家電、さらには第５世代移動体通信（５Ｇ）などの重点市場に向けて新製品開発を加速している。

　同社におけるセンサーの製品戦略は、同社主力のモジュール事業との連携強化、産学との共同開発への取り組みを強化するなど、センサー素子としての供給にとどまらず、ソフトウエアを組み込んだモジュール化、複数の素子を組み込んだ複合センサーへとソリューションの提案活動を強化している。

　１７年度のセンサー事業の売上比率は１０.５％。アナログ系の湿度センサーで高いシェアを確保しているほか、ＭＥＭＳ技術では圧力センサーを中心に実績を伸ばしている。

　同社のＭＥＭＳセンサーは、圧力のほか、三軸加速度、容量式湿度、フォース、非接触温度、さらには気圧など、センサー製品のラインアップを拡充してきた。

　気圧センサーは、２.５ミリ角×０.７ｍｍサイズまで小型低背化。定格圧力は５０―１１０ｋＰａ。気圧計をはじめ気象モニター、カーナビ、ＨＤＤ、活動量計などに適する。

　容量式湿度センサーは、新開発の感湿膜を使用したセンサー素子に専用ＩＣを組み合わせ、高精度、高信頼性を実現。２ミリ角×０.７５ｍｍの小型薄型パッケージタイプ。１.７１―５.５Ｖの低電圧駆動。

高感度で高精度

　さらにフォースセンサーでは、２.２ミリ角×１.８ｍｍサイズの超小型タイプを商品化。耐久性に優れ、微小荷重を高感度、高精度で検知することが可能なため、スタイラスペンなどの入力デバイス用として利用され、さらに用途拡大を目指している。

　非接触温度センサー「ＳＦＢシリーズ」は、ウエアラブルをはじめスマホ、タブレットといった携帯機器から、ヘルスケア、メディカル、家電製品、産業機器分野まで幅広い温度検知に使用できる。パッケージをシリコン接合による封止で真空パッケージ化したことで、測定分解能±０.３度という高精度化を実現した。サイズは２.２ミリ角×０.９ｍｍ。出力電圧は１ｍＶ。Ｂ定数は３３７０Ｋ。消費電流は２μＡ。

　このほか、磁界で抵抗値が変化する、異方性磁気抵抗効果を利用した磁性薄膜センサー技術による電流センサーなども手がける。

　一方、抵抗器関連では、電流検出用途に向けて、低抵抗チップ抵抗器のラインアップを拡充するとともに、チップヒューズなども手がけている。

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