5Vの受電側アプリ向けUSBタイプCコントローラIC

　ＳＴマイクロエレクトロニクス（ＳＴ）は、５Ｖの受電側（シンク側）アプリケーション向けに設計・認証されたＳＴＵＳＢ４５００Ｌを、ＵＳＢタイプＣコントローラＩＣファミリーに追加した。同製品は、ＵＳＢタイプＣをシンク・アプリケーションに実装する上で必要な機能を全て集積しているため、ＵＳＢタイプＣの設計を迅速化および簡略化させる。

　ＵＳＢタイプＣは、リバーシブルなコネクタと、１万回の挿抜に耐える優れた堅ろう性により、電源用およびデータ用のコネクタとして、ＵＳＢマイクロＢやＵＳＢミニＢから急速に普及している。

　ＳＴＵＳＢ４５００Ｌは、スタンドアロンかつプラグ・アンド・プレイ型のコントローラＩＣで、ブルートゥーススピーカ、コンピュータ周辺機器、Ｗｉ―Ｆｉアクセスポイント、ＰＯＳ端末、ＬＥＤ照明、およびＵＳＢドングルといった低電圧駆動機器を対象とした製品。

　さらに、シングルボード・コンピュータやハードウエア開発キットなどにも使用できる。同製品は、ソフトウエアの実装やマイクロコントローラによる外部からのサポートを必要とせず、ＵＳＢタイプＣコネクタ規格への準拠も容易なため、設計工数を削減できる。

　接続されたソースからＶＢＵＳを介して電源電圧が自動供給されるため、搭載機器のバッテリやオンボード電源からの給電が不要。さらに、入力過電圧保護機能を備えているため、５Ｖ駆動の機器を誤って２０Ｖ電源に接続した場合でも、機器の故障を防ぐことができる。

　デッド・バッテリ・モードをサポートしているため、バッテリが完全放電していてもソースとの接続が可能。５Ｖ電源がＶＢＵＳに入力されるまでＶＢＵＳスイッチをオープンにしておくコールドソケットの実装が可能で、ソース側の電力供給能力の検出機能、および異常時に安全に再起動するエラーリカバリ機能なども備える。

　現在量産中で、ＱＦＮ―２４パッケージ（４×４ｍｍ）またはチップ・スケール・パッケージのＣＳＰ―２５（２.６×２.６ｍｍ）で提供される。１千個購入時の単価は、ＱＦＮ―２４が約０.７０ドル、ＣＳＰ―２５が約０.７５ドル。

　小型（実装面積２.５平方ｃｍ）のリファレンス設計ボードであるＥＶＡＬ―ＳＣＳ００２Ｖ１は販売中。また、包括的な基板設計ライブラリもＳＴのＷｅｂサイトから無償でダウンロードできる。

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