細線同軸コネクタ、需要拡大
液晶搭載機器の増加で、各社、幅の縮小や低背化に注力



国内外での液晶搭載機器の需要増大を背景に、細線同軸コネクタの需要が増加している。同軸コネクタメーカー各社は、ノートPCや携帯電話市場での要求に対応した細線同軸コネクタのバラエティ拡充を図り、コネクタ幅の縮小や低背化などに照準を合わせた技術開発に注力する。用途拡大に向けた営業・マーケティング体制の拡充も活発となっている


液晶搭載機器の需要増で市場が拡大する細線同軸コネクタ

従来、細線同軸コネクタの市場は、ノートPCのLCD接続用途が中心だったが、ここ1-2年で、国内のハイエンド携帯電話への搭載が本格化し、海外モデルの携帯電話への搭載も広がりつつある。

極細同軸コネクタでも、0.4ミリピッチの狭ピッチ品が製品化され、最近は、0.3ミリピッチの狭ピッチタイプも登場。携帯電話のLCD接続用途を中心に需要が拡大している。最近のハイエンドカメラ付き携帯電話では、従来の2つ折りタイプの折り畳み式携帯電話と比較して、端末の液晶部分と基板との接続部分に複雑な動作(回転など)が求められているため、携帯電話用細線同軸コネクタの需要を創出しており、コネクタ各社の開発競争も活発となっている。国内メーカー、および外資系メーカーも含め、極細線同軸コネクタへの参入メーカーも増える傾向にある。

携帯電話用の極細線同軸コネクタは、コネクタ幅をスリムにすることで、ケーブル結線後に小径のヒンジを通すことを可能とした製品なども開発されている。

先行メーカーでは、極細線同軸ケーブルを一括圧接で、無ハンダ接続を行った製品を開発、鉛フリー化に対応し、環境対策を施している。

細線同軸コネクタのアプリケーションは、ノートPCや携帯電話のほかにも、DVC、監視カメラ、ポータブルDVDプレヤー、遊戯機器(パチンコ/パチスロ)、医療関係など、用途が広がりつつある。現状では、ノートPCや携帯電話での細線同軸コネクタの搭載率は数%とみられるが、今後の機器の小型・高性能化に伴い、搭載率の向上も期待されている。各社では、セットの要求に対応した0.4/0.3ミリピッチ極細線同軸コネクタのバラエティ拡充を進めるとともに、コネクタ幅の縮小や、嵌合高さの低背化、狭ピッチ化などに向けた技術開発を進めている。