LED関連部品

 LED(発光ダイオード)の普及が本格化している。東日本大震災、原発事故などの影響で「節電」「省エネ」意識が高まり、LEDの需要増に加速がついている。LEDは、照明のほか、表示器、看板、電飾、自動車用ライトなど用途が広がり、関連部品市場が拡大している。そのため、電子部品メーカーではLED関連部品事業への取り組みに注力、新製品開発を加速させ、積極的な拡販活動に取り組んでいる。

PSEマーク表示、来月から義務付け
LED関連で技術的に重要なのが安全性。高信頼性、長寿命化を確保する上で重要な技術。7月1日からはLEDランプ・器具を対象にした「PSEマーク」表示が義務付けられる。そのため、これまで以上に熱対策をはじめ、雷サージおよび静電気対策、ノイズ対策などのための保護用部品が重要性を増している。

熱対策としては、サーミスタをはじめ、電流ヒューズといった回路保護素子が利用されている。特に高密度実装化に対応した小型チップタイプの開発が活発化している。いずれも温度検知に敏感に対応するもの。

また、過電流保護については、十分なパワーを兼ね備えた低抵抗の抵抗器が用いられている。
静電気(ESD)対策ではバリスタが使用される。バリスタは、チップタイプが携帯電話をはじめとする携帯機器におけるESD対策での搭載が広がっているが、LED製品でも必要不可欠なデバイス。特にバリスタ電圧などの静電気耐圧特性を維持しながら、小型化技術が進展しており、1005、0603、0402サイズといった超小型品の採用が進んでいる。また、バリスタはディスクタイプが過電圧保護用途で使用されている。

屋外のLED表示器などではハイパワーの電源が用いられる。雷サージ対策のためのサージアブソーバは、耐電圧の優れた製品が求められている。

信頼性確保の上で、ノイズ対策も重要な要素の1つ。コンデンサやインダクタ、さらにはLCフィルターなどが用いられるが、低コストで必要に応じた減衰特性を持つ製品が使用される。回路保護部品と同様にチップタイプの採用が進展している。

LED照明用回路基板は、耐熱性に優れていることが要求されている。現在ではセラミック基板をはじめ、窒化アルミ基板、さらには樹脂系基板、フレキシブル基板(FPC)など、要求特性、コストなどによって使い分けられている。

高耐熱性銅張積層板の開発活発化
その中で、樹脂系のリジッド系プリント配線板は、一般的にFR―4グレードをベースにしたガラスエポキシ銅張積層板、紙フェノール銅張積層板、ガラスコンポジット系銅張積層板(CEM―3)などが主に使用されている。最近ではソリ、ねじれなどを抑制したLEDグレードの高耐熱性の銅張積層板の開発が活発化してきた。さらに高放熱化を推進するために、アルミベース基板や銅コア基板などが量産されている。

FPCは、耐熱性が劣るため、LED向けとしてはアルミなどのメタルをFPCに張り合わせたメタルベースFPCで対応。FPCの立体形成、屈曲性などの特徴がそのまま生かされ、LEDチップを自由に配線できるメリットがある。すでに自動車のライトなどに応用されており、今後用途拡大が期待されている。

LEDは、屋外に設置される看板や表示器機などでの利用が広がっている。その電源では、耐環境性が要求される。

屋外で使用されているLED用電源としては、温度や湿度、雷サージおよび、ノイズ、ホコリ、振動などの対策、さらには、メンテナンスフリー化を目指した長寿命、高信頼性などが求められている。また、出力規模など仕様が異なること、低コスト化が要求されること―などへの対応も必要不可欠な条件である。

安全性などの視点から各種規格の取得も必要条件。防塵、防滴のIP66規格をはじめ、安全規格は、日本市場向けのPSE(電気用品安全法)規格のほか、輸出向けも欧米それぞれの安全規格の取得が必要になる。高調波やノイズなどの対策のための規格にも対応しなければならない。