「チップ型パワーインダクタ」
AGD、スマホ向けに採用増える

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スマホ向けのチップタイプパワーインダクタ

 アルプス・グリーンデバイス(AGD、島岡基博社長)は新規開発したスマホ向けのチップタイプパワーインダクタで実績を拡大している。モバイル機器用ディスプレイの長時間駆動に貢献する製品として、今後もハイエンドスマホに照準を合わせた拡販を推進する。

 同社はスマホやタブレット端末などのディスプレイ用電源回路に最適な、チップタイプのリカロイパワーインダクタを開発、13年末から生産を立ち上げた。国内外のスマホハイエンドモデル向けに徐々に採用が拡大しており「今秋から年末にかけて、本格的な量産が始まる見込み」(島岡社長)。

コア材にリカロイ

 同社が展開しているのは、電力変換に伴う損失低減に優れた性能を発揮する独自の磁性材料「リカロイ」をコア材とするリカロイパワーインダクタ。数年前からノートPCなどの用途向けに、10ミリメートル角/6ミリメートル角品などを供給していたが、新たにスマホなどのモバイル機器向けとしてチップタイプの「GLCLKシリーズ」と「GLCLMシリーズ」を投入し、実績を拡大している。

 両製品は、同社従来品に用いられていたリカロイの組成を変更するとともに、独自の圧粉成型技術により開発した。これによりスイッチング電源の高周波数化に対応し、従来製品比約3倍の周波数特性を実現した。従来製品比約70%のコアロス削減を達成している。

 「当社の製品は、スマホに搭載される各種パワーインダクタの中でも、特にディスプレイ系電源に有効。ディスプレイ用電源回路の部分をリカロイパワーインダクタに置き換えるだけで、バッテリの長時間駆動化が図れる」(島岡社長)。

設計の自由度向上

 低背に有利な下面電極構造を採用。製品上面に電極がないため、同インダクタに近接してノイズ対策部品などを設置することが可能となり、セット設計の自由度向上に貢献する。外形サイズは、GLCLKシリーズが2.5×2.0×高さ1.0ミリメートル、GLCLMシリーズが2.5×2.0×高さ1.2ミリメートル。

 チップサイズのリカロイパワーインダクタは、国内および海外のスマホメーカーの上位機種向けで、徐々に採用が拡大している。

 「当社のスマホ用パワーインダクタは、数量で勝負するわけではないため、今後もスマホのハイエンド機種に照準を合わせた展開で採用拡大を目指す。半導体メーカーのリファレンスへの展開などにも力を入れる」と島岡社長は話している。

 チップサイズリカロイパワーインダクタの生産は新潟県長岡市の工場で行い、今年末には月産2千万個の生産体制を整える。

 同社はアルプス電気の子会社として設立され、小型・高効率の電力変換・電力制御デバイス開発により、低炭素社会への貢献を目指している。