北陸電気工業 回転型小型発電機商品化へ

ウエアラブル端末やIoT機器など 多様な用途に

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北陸電気工業の円盤型発電機
 北陸電気工業は東京大学大学院工学系研究科の鈴木雄二教授との共同研究で、エレクトレットによる静電誘導発電の原理を用いた回転型の小型発電機を開発し、商品化に向けて取り組んでいる。人体の運動や腕の軽い動きに合わせて、内蔵する円盤が回転して発電する。リストバンド型をはじめとしたウエアラブル端末、IoT機器などの分野での採用が期待される。先に千葉・幕張メッセで開催されたTECHNO─FRONTIER 2016に出展。多くの来場者が同社ブースで関心を寄せていた。

 円盤の回転エネルギーを電気エネルギーに変換するために、半永久的に電荷を内在させた絶縁体であるエレクトレットを使用している。エレクトレットには、旭硝子のアモルファスフッ素樹脂「サイトップEGG」を使用し、精密にコーティングした。

 固定子と回転子における電極の移動による重なり面積の変化で静電誘導発電する原理を応用。人体の運動や腕の軽い動きに合わせて、内蔵する円盤が回転して発電する仕組み。

 発電出力が最大になるように極数を最適化。発電能力は、円盤を毎秒1回転させる動きを与えた場合、直径約4センチ(1.6インチ)の開発品で200μW。同約2.5センチ(1インチ)の開発品で20μWを達成している。

 同社はウエアラブル、IoT関連機器などを今後の成長戦略の主要な用途として位置付けている。
 ウエアラブル端末などでは、電池の長寿命化が課題になっており、電池のバックアップ発電用途など、様々な用途が期待できるとみている。