人と協調するロボット

ロボテックが展示会で紹介

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女性でも重量物を操作できる電動バランサ
 ロボテック(東京都中央区、吉本喬美社長)はこのほど東京ビッグサイトで開催された「第29回インターフェックスジャパン」で、人と協調して作業するロボットを紹介した。2台のロボットを用いて双方向の動きや感触を伝達し、物体の感触を遠隔地にも伝えるバーチャルで感触を感じることができるロボット。併せて重い荷物も軽い荷物のように軽快・安全に作業ができる電動バランスも展示した。

 人と強調するロボットには、高度な安全性が求められる。そのためモーターの動力を制限し、発生する力を小さく、速度も遅くする技術が必要といわれる。

 同社はこれらの要求に最適なアクチュエータ「ユニサーボ」を開発した。減速機付きのサーボモーターの出力軸に回転トルクメーターを装備し、実測トルクによるシンプル・高速・高精度なトルク制御を実現。減速機付きでコンパクト、1万倍のダイナミックレンジにより大トルク容量でも微細なトルク制御を実現した。

 主な機能は、あらかじめ設定されたトルク制御内の任意の値に出力トルクを設定できる「定トルク制御」、制御で見かけ上、ばねのような特性を実現できる「コンプライアンス制御」、出力軸のトルクがゼロ(厳密には極めて小さな値)になるように制御する「ゼロトルク制御」など。

 これらの制御技術を活用することで、従来ロボットが最も苦手とした出力軸のトルクを見て、力を制御する指定した力で「押しつけ制御」が可能となった。

 また、モーターから別のモーターに感覚を伝えるバイラテラル制御もできる。応用例として、重量物を正確にハンドリングできる電動バランサ、ロボットのダイレクトティーチング、力の感覚が分かるロボット、倍力機能を持った運動補助装置などに展開が期待される。

 同社は「ユニサーボ」をはじめとする自動化・ロボット技術に関わる企画や技術開発を進め、トルク制御を通じて、人と機械が協調して作業できる新たなヒューマン・マシン・インターフェイスを実現することを目指すという。