ドローンでロボット遠隔操作 NICT、産総研が技術開発

 情報通信研究機構(NICT)および産業技術総合研究所(産総研)のグループは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)〈注〉の一環として、制御用の電波が直接届かない場所(見通し外)にあるロボットを、ほかのロボットを経由して遠隔制御し、かつその状態を監視する技術を開発した。

 実験は5月18日と6月2日、東北大学青葉山キャンパスで行われ、見通し外にある小型四輪ロボットに対し、上空のドローンを経由してコントロールできることを実証した。

 これまでの技術では、中継経路が切り替わるたびに通信が切断され、ロボットがその間、操縦不能になるという問題があった。

 同技術では、制御不能になる見通し外を動き回るロボットに対しても、ほかのロボットが協力して周囲の環境に適応しながら安定に制御通信回線を確保することができ、電波が伝わりにくい環境に対してタフなロボットシステムを実現した。

システム概念図
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 今回の実証実験では、地上の小型四輪ロボットを制御対象としたが、今後は、制御対象を飛行するドローンに拡張する予定。

 無線による通信の信頼性をより高めるため、920メガヘルツ帯に加えて、緊急時のバックアップ用として、チャネル数は限られるものの、さらに遠くに電波を飛ばすことができるVHF帯(300メガヘルツ以下)を追加した無線装置に拡張する予定。

 開発した技術は今後、電波が伝わりにくい建物内や、その近傍などでの災害時のロボットによる調査だけでなく、山間部でのドローンの低高度飛行によるモニタリング調査や物資の配送などへの応用、さらには複数のロボットやドローンが自律的にお互いに協調し合いながら、高い信頼性を持つ無線ネットワークを構成するシステムの基盤となることが期待される。

 〈注〉田所諭氏がプログラム・マネージャーとして推進する、ImPACT「タフ・ロボティクス・チャレンジ」。