住化プラスチック

ESDを起こしにくいPP中空構造板サンプライDK

画像1
サンプライDK
 住友化学グループの住化プラステック(東京都中央区)はESD(静電気放電)を起こしにくい新発想のPP中空構造板「サンプライDK」(特許出願中)を開発し、本格販売を開始する。精密電子機器の製造、物流工程における(1)基板帯電によるESDリスク低減(2)カーボン脱落を低減したクリーンな材料を特徴に、顧客の課題解決への貢献を目指す。

 同製品の表面抵抗値は、導電領域と帯電防止領域の中間領域の静電気拡散領域の電気特性を持つ。このため、同板はESDを起こしにくく、帯電した電荷を緩やかに消散させることが可能なプラスチック段ボールシートとなっている。

 従来、ESD保護区域での使用に適ったプラ段シートは市販されていなかった。棚板使用の場合、静電気拡散領域に導電マットを敷くなどして静電気放電の対策を講じてきた。今回開発のサンプライDKは棚板としてそのまま使用可能で、導電マットなどの処置も不要となり、同区域内の整理整頓が円滑に行えるようになる。

 同シートの表面抵抗値(点間抵抗Rp)は、1×6 10のから9.9×8 10(Ω)。RCJS規格で点間距離50センチメートル。軽量かつ高剛性な中空構造板で、熱融着性および加工適正は従来のサンプライと同等の水準を確保している。

 品番は「DK50090」。厚み5ミリメートル、坪量900グラム/平方メートル、サイズは幅910×流れ1820ミリメートル、幅1820×流れ1820ミリメートルの2サイズ(定尺販売)。カラーはブラック。

 同社はサンプライDKの量産体制を整備し、今月から在庫生産を開始する。「特に、電子部品やモジュール製造、基板アッシーなどを手がける工場のESD保護区域での使用に適した製品として、需要の広がりに期待している」(同社技術開発部)。

 同社はプラスチック段ボール、発泡PPシートなどの各種産業資材を主力とするメーカーで、97年に住友化学からの分社化により設立された。プラ段シートでは国内トップシェアを有している。栃木、愛知、佐賀の国内3カ所に製造拠点を展開する。