スパコン性能ランキング

中国が1位、2位を独占

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【フランクフルト(独)=C・カノッサ特派員】世界のスパコン性能ランキング「TOP500」が19日、当地で開催中の高性能コンピューティング(HPC)の国際会議「ISC HPC2017」で発表された。前回に引き続き、中国のシステムが1、2位を独占。3位にはスイス国立スパコンセンターのシステムが入り、日本勢では最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)の「Oakforest―PACS」が7位で最高だった。

 TOP500は、世界で稼働中のスパコン性能をLINPAKベンチマークで測定、1秒間の浮動小数点演算回数(フロップス)をランキングしたもので6月と11月の年2回公開、今回で49回目となる。

 トップは中国国家並列計算機工程・技術研究センター(NRCPC)が構築した「神威太湖之光」で最大性能93ペタフロップス。2位は中国国防科学技術大学(NUDT)による「天河2号」で、それぞれ16年6月から3回連続で同順位、同性能を維持している。

 3位はスペインに設置された米クレイ社製「Piz Daint」。前回は8位だったが、米エヌビディアのGPUアクセラレータ「Tesla P100」を採用しアップグレードした結果、性能が2倍にアップ、順位を大きく上げた。

 日本のシステムでは、東京大学情報基盤センターと筑波大学計算科学研究センターが共同運営するJCAHPCで稼働中の「Oakforest」が7位。理化学研究所の「京」が8位。トップ10にはこれら2システム、500位内には33システムが入り、米国の169、中国の160に次ぐ多さだった。

 トップ500をプロセッサ別で見ると、米インテルが464と圧倒的。

また、アクセラレータ/コプロセッサ技術を採用したシステムは91と前回の86から増加。このうち74がエヌビディアのGPUを、17システムがインテルの「Xeon Phi」コプロセッサを採用していた。

 上位500システムの性能合計は749ペタフロップス。1年前より32%向上したものの、年率約185%増を示していたかつてのような勢いは薄れた。

 スパコンは今後も飛躍的な性能の伸びは期待できず、むしろエネルギー効率が重要視されるようになっている。

 今回、同時に公表された省エネ性能ランキング「グリーン500」では、東京工業大学の「TSUBAME3.0」がトップ(TOP500では61位)。次いでヤフージャパンの「kukai」、産業総合技術研究所(AIST)の「AIクラウド」と、日本のシステムが上位を占めた。