カシオ計算機

一台で患部の接写と通常撮影が可能な皮膚科医向けカメラ

画像1
「DZ-D100」

 カシオ計算機は、千葉大学との共同研究で開発した、皮膚にレンズを直接当てて撮影する接写と、通常の撮影が1台で可能なダーモカメラ「DZ―D100」を27日から同社のWebサイトで発売する。併せて、信州大学と共同研究した、撮った画像を管理できるパソコン用ソフト「D,z IMAGE Viewer(ディーズイメージビューワー)」も同日から提供を開始する。DZ―D100は19万9千円(税別)。

 従来、皮膚科医が皮膚の病変部を撮影するには、専用レンズを外付けした市販のカメラで患部を接写することが一般的だった。そのため、カメラが大きく重くなっていたほか、患部周辺を含めた全体の撮影も同時に行う場合はレンズを交換するか、もしくは2台を使い分ける必要があった。

 DZ−D100は、同社のカメラ技術と皮膚科医の知見を生かし、小型・軽量でありながらも、病変の色や構造を確認するための接写、および病変の位置を確認するための患部周辺を含めた全体の撮影を1台で可能とした皮膚科医向けのカメラ。

 皮膚内部の色や構造の確認に必要な偏光撮影、皮膚の表面の病変部を記録する非偏光撮影、隠れたシミやぼやけたほくろなどの辺縁部がくっきり写るUV撮影をワンシャッタで実現した。それぞれの画像を同一画角で撮影できるので比較検証する際に役立つ。

 また、DZ−D100とパソコン用の画像管理ソフトD,z IMAGE Viewerを無線LANで連携させることによって、撮影した画像をパソコンに自動転送できる。IDを入力して撮影した画像は自動的にIDごとに振り分けられるので、面倒なフォルダ分けが不要だ。

 接写した画像上にスケール表示が可能なため、画面上で病変の大きさを確認できるだけではなく、メジャー機能を用いて、例えば病変の端から端などの2点間の距離を測ることもできる。

 DZ―D100は、有効画素数が2016万画素。撮像素子は1/2.3型CMOS(裏面照射型)で総画素数が2114万画素。外部メモリーはSDメモリーカード、SDHCメモリーカード、SDXCメモリーカード。

 記録容量は、静止画が外部メモリー16GBで約1860枚。動画は、最大ファイルサイズで1回の撮影につき最大1.3GB(動画時間10分)、外部メモリー16GBで約1時間50分。

 レンズの構成は6群9枚、F値がF3.33、焦点距離がf=7.67。ズームはデジタルズーム8倍(ズーム分解能0.1倍)。画像モニターは3.0型TFTカラー液晶。電源は専用リチウムイオン充電池。サイズは127.5×76.0×86.1mm。