中国企業の底力

中国移動(チャイナモバイル)

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楊 会長
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 中国移動(チャイナモバイル)は、中国の国有通信会社だが、売上げ、携帯契約数、どれを取っても世界最大の移動通信会社だ。

 同社の会長に3月初め、楊傑(ヤン・ジェ)氏が就任した。同氏は中国電信の会長だったが、次世代移動通信5Gの普及と産業への応用を促進するため習近平国家主席直々の人事とされている。

 中国移動は2000年に中国電信(チャイナテレコム)が固定通信と移動通信に分割された際の移動通信会社。その分割会社が現在に至っている。

 同社の業績と各種の契約数は頭抜けている。18年の売上高は7368億元(約12兆5900億円)、携帯契約件数は同年末9億2500万件で、世界のどの通信事業者よりもはるかに多い。

 18年は四つの成長エンジン$略を展開することで製品とサービスの差別化を図った。

 業績では低コストで高効率経営を目指した結果、18年の売上高は前年比1.8%増(新会計基準適用の場合)。純利益は同3.1%増の1179億元。売上げの内訳は通信サービスが全体の91%を占め6709億元、端末販売は659億元。通信サービスはデータサービスの好調に支えられ前年同期比3.7%増えたのに対し、端末販売は同14%減った。

 昨年の中国スマホ市場は、消費者の買い替えサイクルが長くなり、一方で米国との貿易摩擦による消費マインドの冷え込みが端末需要に影響したとみられる。

 通信サービスでは国内の長距離ローミング収入がモバイルインターネットの台頭で音声収入が同31%減。逆にデータサービス収入が同10%増加。データトラフィック事業や固定ブロードバンドサービスも好調だった。