駐車に必要な制御動作を自動化するシステムに関する日本発の国際標準が発行

 ドライバーの監視の下で、車両の操舵(そうだ)や加速、制動およびトランスミッションを制御し、駐車操作に必要な車両制御動作を自動化するシステムに関する日本発の国際標準が発行された。車両制御システムを搭載した自動車の普及により、駐車場内における交通事故減少への貢献が期待される。

 自動車による接触事故は駐車場内でも多く発生している。特に運転席から死角となる場所に隠れた小さい子どもが犠牲になるといった極めて悲惨な事故が後を絶たず、日本では、毎年約300人の死傷者が報告されている。

 一般的に駐車操作を苦手とするドライバーは多く、中でも狭い場所へ周辺物体との接触を回避しながら後退するという一連の駐車操作は大きな負担となっている。さらに、駐車操作に時間がかかることは車両の円滑な通行を妨げ、渋滞を引き起こす要因にもなる。

 このような背景を受け、駐車操作の一部を自動で行い、ドライバーの負担を軽減するシステムを搭載した車両が市販されている。今回、システムの要求性能を明確化することで、一定の性能を持つシステムがより広く普及することを目指し、日本から国際標準の提案を行った。

 発行された国際標準ISO20900(部分的自動駐車システム)では、ドライバーが運転席に座った状態で作動させるタイプと、遠隔操作端末を用いて作動させるタイプの2種類について、それぞれ機能要件および性能確認試験の方法が規定されている。

 同規格は、日本が国際議長を務めるISO(国際標準化機構)/TC204(ITS高度道路交通システム)/WG14(走行制御)に、日本から16年7月に提案していたもので、5月13日に国際規格として発行された。

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 ドライバーが苦手とする駐車操作の大部分をシステムが行うことで、ドライバーは周辺の安全確認に集中できる。同規格の発行により、一定の性能を持つシステムを搭載する車両が世界に普及し、駐車場内での自動車による交通事故の減少につながると期待される。また、国連SDGs(持続可能な開発目標)の一つである、20年までの世界道路交通事故の死傷者半減への寄与も期待される。