電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
2月4日 040204_02 三洋電機 電子材料 電子材料

角型リチウムイオン電池



 三洋電機は3日、正極にマンガン酸リチウムとコバルト酸リチウムのハイブリッド材料を使用した角型リチウムイオン電池の生産を大幅に拡大すると発表した。 リチウムイオン電池には、正極にコバルト酸リチウムを採用したものと、マンガン酸リチウムを採用したものがある。 コバルト酸リチウムのタイプは高容量が得られるが安全性を確保するために通常2つ(保護回路、保護素子)の安全装置を付加しなければならず、電池パックのコストアップ要因となっていた。一方、マンガン酸リチウムのタイプは安全性が高いものの、コバルト酸リチウムに比べて約20%放電容量が少なく、また高温下での保存特性やサイクル特性が低いという課題があった。

同電池の世界トップメーカーである同社は、これまで電池特性を重視しコバルト酸リチウムを正極に採用していたが、セットメーカーからの低コスト化要求が高まってきたことから、業界で初めてマンガン酸リチウムとコバルト酸リチウムのハイブリッド材料を正極に採用したタイプを開発。昨年6月から玩具向けに販売を開始した。

ハイブリッド材料を用いることにより、コバルトの使用量が従来比半減でき、さらに安全性が高まることで保護回路の低減も可能(保護素子は必要)。また製法を工夫することで、高温時の特性をコバルト酸リチウム単独のタイプ並みにまで改善するとともに、容量についてもマンガン酸リチウム単独のタイプに比べ約10%アップさせた。特許(国内、海外各6件)出願中。

同社では、この新世代角型リチウムイオン電池を拡大展開するため、今回携帯電話向け新モデルUF553450Lの量産をスタート。今月から出荷を開始することにした。 新モデルは、現在携帯電話向けのスタンダードモデルとなっているUF553450Rのハイブリッド材料バージョン。容量は820ミリAhで5―6%少なくなるが、セル単体ベースで5―10%コストダウンでき、電池パックではさらなるコストダウンが期待できるという。

新モデルの投入により、ハイブリッド材料を採用した電池の生産数量は昨年の10倍以上(同社角型リチウムイオン電池の10%以上)になる見込みで、昨今のコバルト価格高騰が進めばさらにシフトは加速する、と同社では予測している。 今後は、他のサイズや円筒型への採用も検討するとともに、さらにコバルト使用量を削減する新正極仕様についても開発を進めていくことにしている。


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