電波プロダクトニュース



040714_06
 
日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
7月14日040714_06 TDK その他の電子部品 その他

4つの営業統括部で提案、素材技術で差別化図る。



部品需要、今年の後半展望
主要メーカー営業トップに聞く。

――TDKにおける部品事業は好調のようですが。
 横取締役 コンデンサー1個でもしっかりデザインインすることが重要だと考えている。そうでないと価格が優先するe―オークションなどのインターネット取引でも十分。TDKとしては2000年の最高数量を02年夏には更新し、現在はこれを上回る水準で推移している。これは販売合戦のち密さが功を奏しているといえる。それが当社のITを駆使した多次元のマトリックス営業システム。

――どういったシステムですか。
横取締役 グローバル規模での情報の一元化は重要。従来のような地域完結型の営業体制ではなく、日本およびアジア、米国、欧州の世界3極において、セット、得意先、製品、地域の四軸で市場をとらえて対応。これは目標設定から、進捗管理、問題発見まで、ITを駆使してグローバルに情報を共有化し、同じ目標に対して時間と距離の差を克服して完遂するもの。また、カーエレクトロニクス、情報家電、高速・大容量ネットワーク、ティアセットその他という4つの営業統括部によって提案営業を展開する。これは市場に一番近い営業が技術トレンドの情報を収集し、新製品開発へとフィードバックすることもできる。

――受注競争力の点では技術トレンドに対応した営業、製品戦略も重要に思えます。
横取締役 積層セラミックコンデンサーは小型、大容量化技術が飛躍的に進歩した。同じコンデンサーのタンタルやアルミ電解の市場領域に参入することができる。この置換の需要を発掘してきたことも成長のカギかもしれない。

――ところで好調の部品需要はいつまで続きそうですか。
横取締役 今年の携帯電話は5億4000万から5億5000万台といったところ。中国企業が生産している単機能タイプが緩んでおり、高機能タイプの比率が高まってくるだろう。また、デジタル家電の出現によって、部品の調達がより一層難しくなっている。アテネ五輪に関する需要からクリスマス需要に続くことを考えると現時点で10月頃までは大丈夫ではないか。部品の需給バランスがひっ迫しているので、海外ユーザーは数量確保のため、長期契約が多くなっている。01年以降、部品市場は下がり続けたが、当面市場価格は安定するものとみられる。ただ、部品メーカーにとって携帯電話1つとっても高機能化していることから、要求する部品も変わることから陣取り合戦に勝ち抜いていかなければならない。

――増産に向けた設備投資は必要ないんですか。
横取締役 2000年の反省もある。需要と供給のバランスを考えると、設備投資は小刻みに展開していくことになるだろう。

――この高水準の需要に懸念材料はありませんか。
中国の動向注視 横取締役 原料の不足および高騰、為替相場の変動など不確定な要素は少なくない。特によくみておかなければならないのは中国の動向。中国はモノづくり一つとっても需要とのバランスを考えるのではなく、計画的に生産する計画経済の要素が残っている。このような経済を土台とする中国情勢は世界市場の動向にも強い影響力を持つことから注視していきたいと考える。

――TDKとしてはどういった製品を拡販しますか。
横取締役 生産台数が伸びているセットはその中に技術革新が詰まっているということ。これに対する新製品を提案していきたい。それには事業部門、開発部門など個別に動くのではなく、束ねて組織的に動いていくことが大切。中国に対しては価格ではなく技術力で差別化し、中国生産は中国の企業が作れないものを手がけるようにしたい。そういった意味でも特性に優れた材料の重要性が高まってくる。

――TDKはE―マテリアルソリューションプロバイダーを志向しておられます。
横取締役 素材で差別化できるように取り組んでいきたい。TDKは素材をコア技術として、その優れた特性を生かした各種電子部品を展開している。これからは特にTDKの原点でもあるフェライトにおける新製品の開発を加速し、競争力を高めている中国企業などに対して素材で差別化できる体制を確立していく。


| 全新製品情報 | 一般電子部品:製品別リスト |
|
電子デバイス:製品別リスト | 電子デバイス:用途別リスト |
|
ホームページへ戻る | 次データへ |