高音質を実現するDCTSC-ΔΣ1ビットDAC方式を世界で初めて採用したシリコンオーディオプレイヤー用LSI

　東芝はこのほど、高音質を実現するＤＣＴＳＣ（ダイレクト・チャージ・トランスファ・スイッチド・キャパシタ）―ΔΣ（デルタシグマ）１ビットＤＡＣ（デジタル/アナログ・コンバータ）方式を世界で初めて採用したシリコンオーディオプレヤー用ＬＳＩ「ＴＣ９４Ａ８２ＸＢＧ」を開発、今月末から出荷を開始する。サンプル価格は１２００円。今月から月６万個で量産を開始する。

　 ＤＣＴＳＣ方式は、シリコンオーディオプレヤー用ＬＳＩとして、一般的なＳＣＦ（スイッチド・キャパシタ・フィルター）方式と比較して、回路内の抵抗やトランジスタの数が少ないため、デジタル信号をアナログ信号に変換する際に発生する音声信号の劣化を少なくすることができる。

　 さらに、デルタシグマ１ビット方式では、音声信号の処理を１ビットごとに高速で行うため、原音に近い音楽再生を実現することができる。

　 また、このＬＳＩは、シリコンオーディオプレヤーに必要なＣＰＵ、ＮＡＮＤ型フラッシュメモリーコントローラのほか、５１２キロバイトのＳＲＡＭ、ＤＣ/ＤＣコンバータ、バッテリチャージャなどの主要製品を内蔵していることから、少ない外付け部品でシステムを構成できる。さらに、ＤＲＭ（デジタル著作権管理）に対応している。対応フォーマットは、ＷＭＡ、ＭＰ３、ＷＡＶ。パッケージは、１４１ピンＦＢＧＡで供給される。

　 新製品は、２８日発売予定のオーディオプレヤー「ｇｉｇａｂｅａｔ　Ｕシリーズ」に搭載されている。