ＭＰ3デコーダとシステムコントローラなど周辺チップ12ブロックを業界で初めて1チップ化したＭＰ３システムＬＳＩ

　ロームは、ＭＰ３デコーダ、システムコントローラ、ＵＳＢ／ＳＤインターフェイスコントローラなど、１２ブロックを業界で初めて１チップ化したＭＰ３システムＬＳＩ「ＢＵ９４３５ＫＶ」を開発し、今月から月産３０万個で量産を開始した。サンプル価格は3000円／個。これまで２、３チップで構成していたＭＰ３デコーダＬＳＩおよび周辺ブロックを１チップに収めた。システムコントローラ内蔵により、コマンドソフトウエア開発を不要にし、従来約３カ月にかかっていた開発期間を３週間程度に短縮できる。ラジカセ、ミニコンポ、カーオーディオ、クロックラジオなどのオーディオ機器向けに拡販していく。

　ＢＵ９４３５ＫＶは、ＭＰ３デコーダをはじめ、ＵＳＢインターフェイス、ＳＤメモリーカードインターフェイス、ファイルシステム、シリアルインターフェイス、キーマトリクスコントローラ、ＬＥＤコントローラ、サンプルレートコンバータ、パラメトリックイコライザ、オーディオＤＡＣ、システムコントローラの１２ブロックを内蔵した、オールイン１チップシステムＬＳＩ。

　ＣＭＯＳプロセスで６４ピンＶＱＦＰを採用した。

　前工程はローム本社（京都）、後工程はタイのロームインテグレイティッド　システムズ（タイランド）で行う。

　ＵＳＢメモリー、ＳＤメモリーカードに書き込まれたＭＰ３ファイルを自動で検索し、圧縮フォーマットのデコードを行いながらＣＤ並みの高音質で音楽を再生できる。内蔵システムコントローラは、ファイル検索、読み込み、ファイルのデコードなどのコマンドソフトウエアを搭載。それらコマンドソフトウエア開発を不要にし、開発期間を従来の約３カ月から３週間程度に短縮した。

　また、スタンドアロン動作、スレーブ動作切り替え機能を内蔵することで、スタンドアロン動作ではＣＰＵを搭載していない既存のオーディオ以外のセットでも、簡単にＭＰ３オーディオ機能を持たせることが可能。

　スレーブ動作ではＣＰＵによるソフトウエア制御により、ファイル名表示やＩＤ３ＴＡＧ表示などの複雑な制御を必要とする機能を実現できる。

　電源電圧アナログ、Ｉ／Ｏ３.３Ｖ、コア１.５Ｖ、動作消費電流ＶＤＤ１ＵＳＢ２２ミリＡ（Ｔｙｐ）、ＶＤＤ２ＵＳＢ２４ミリＡ（同）。