携帯電話の国内W-CDMA用トリプルバンドおよび海外でのHSDPAカテゴリ５/６に対応するRFトランシーバーIC

　ルネサス　テクノロジはこのほど、携帯電話向けにＷ―ＣＤＭＡ用のトリプルバンド対応ＲＦトランシーバＩＣ「Ｒ２Ａ６０２７３ＬＧ」を製品化、６月からサンプル出荷を開始する。量産は７月から月３万個で開始し、０８年１月には３０万個を予定している。

　新製品は、国内のＷ―ＣＤＭＡでの使用周波数帯のバンド１（２ギガヘルツ）、バンド５（８００メガヘルツ）、およびバンド９（１.７メガヘルツ）のトリプルバンドに対応する。加えて、ＨＳＤＰＡのカテゴリ５および６（３.６メガビット／秒）をサポートしており、携帯端末の海外対応とデータの高速ダウンロードを実現する。

　また、ローノイズアンプ（ＬＮＡ）やループフィルタ、電波干渉に対する強化のためＣＤＭＡ２０００帯域妨害波対応として帯域外妨害波減衰用フィルターを内蔵している。

　さらに受信用にイコライザ回路、送信用に低ノイズＰＬＬを採用することで、受信時に１１％、送信時に３％の低ＥＶＭを実現。これらの機能を５×５×０.６５ミリメートルの小型、薄型の７２ピンＬＧＡパッケージに収めている。これにより、部品点数の削減によるシステムの低価格化、実装面積の低減やシステムの薄型化が図れる。